薬の副作用について考える機会が多いですが、特に抗コリン作用は入院診療で良く目にします。入院で診る疾患の裏に薬の副作用が隠れていないか考えることは非常に大切です。

抗コリン作用には以下のようなものがあります。尿路感染や誤嚥性肺炎、便秘の裏に抗コリン作用が隠れていることも多いのではないでしょうか。
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(Lieberman JA 3rd. Managing anticholinergic side effects. Prim Care Companion J Clin Psychiatry. 2004;6(Suppl 2):20-3. Erratum in: Prim Care Companion J Clin Psychiatry. 2012;14(1):PCC.12lcx01362.より引用)
抗コリン作用を持つ薬は多岐にわたるため、意識して薬リストをcheckしなければいけません。このリストは1つ1つ覚えるのは大変ですが、注意が必要な薬の種類をまず覚えましょう。抗精神病薬や抗不整脈薬は忘れがちです
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上記のもの以外にも市販のものも含めて総合感冒薬や睡眠薬にも抗コリン作用を有する成分(第一世代抗ヒスタミン薬など)が含まれているので注意です。PL顆粒にはプロメタジンが、ベンザブロックにはクロルフェニラミンが、ドリエルはジフェンヒドラミンが含まれています。第一世代抗ヒスタミン薬には眠気や鎮静など中枢神経系副作用や抗コリン作用が強いですね。ポララミン®、ピレチア®、アタラックスP®などが含めれます。

抗コリン作用 Risk scaleというのもあります。処方内容の合計点が高ければ高いほど抗コリンの副作用が出やすいとされています。薬の副作用の判断に1つの参考になるかもしれません。
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(Rudolph JL, Salow MJ, Angelini MC, McGlinchey RE. The anticholinergic risk scale and anticholinergic adverse effects in older persons. Arch Intern Med. 2008 Mar 10;168(5):508-13.より引用)