本日の抄読会はP2-CHA2DS2-VASC scoreについての論文でした。CHA2DS2-VASC scoreに心房伝導の異常を足すことで脳梗塞の予測ツールとして精度が増すのでは?というものです。

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.035411 

本論文では心房伝導の異常が心房のremodelingや脳梗塞に関係あるのでは?ということで以下の4つの心電図所見がcheckされています。対象はAfの患者2229名。除外項目は1年以内に抗凝固療法が始められている人など。

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(>120msを異常とする)
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(0-75度以外は異常)
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(V1で≤−4000 μV*ms.)
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 (Ⅲ、aVfでP波>120ms+二相性 or Ⅱ誘導でnotch付きの形)
 
下図がP波の異常などと脳梗塞(Typeは問わない)との関係性です。
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上の4つの中ではAbnormal P axisとAdvanced interatrial blockが関連することがわかりました。

この結果を踏まえて、Scoreを色々調節したものが下図です。
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Model AがCHA2DS2-VASC scoreで、BがAbnormal P axisを足したものです。C-statisticが0.6590.738と改善しています。Advanced interatrial blockを足したものはModel Eですがあまり変わりありません。抄読会ではそもそもこの所見が出る人数が少ないためと解釈されていました。

またこの研究ではAfがない人でも上記のP波の異常がある場合はCHA2DS2-VASC scoreは脳梗塞の予測に使えることがわかりました。抗凝固を始めるべき!とまではいかないかもしれませんが、Afが見つからなくても心原性脳梗塞を疑う場合は上記のP波異常に注目ですね。