昨日のチームケースカンファは15歳男性 3週間続く頭痛でした。吐き気、嘔吐を伴う全体の頭痛が3週間続くことで紹介。前医でのMRIやMRVは正常。意識障害や神経異常所見は認めない。髄膜刺激症状があり、ルンバールでは圧上昇とタンパク上昇を認めるが、細胞数は正常で培養や細胞診は陰性。採血検査ではD-Dimer上昇を認めた。
https://n.neurology.org/content/92/13/e1526
診断は?
・脳静脈洞血栓症の場合、MRVの感度は比較的高いが偽陰性もあり得るため再検したところ、横静脈洞や上矢静脈洞に多発の静脈洞血栓を認めた。
・背景疾患として検索した抗リン脂質抗体陰性、アンチトロンビン欠損なし、プロテインC低下なし、factor V Leiden変異はなかったが、プロテインS活性が22%と低下していた。遺伝性プロテインS欠損の原因としてPROS 1geneの変異をcheckしたところ変異を認め、母親もプロテインS活性が低下していた。血栓傾向の家族歴は認めなかった。脳圧低下薬とヘパリンで治療を開始し、頭痛は1週間ほどで改善した。抗凝固薬はダビガトランに変更した。
というわけで1回のMRVでは除外できないんですね。調べるとMetaで感度86%、特異度94%でした。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29793135
・脳静脈洞血栓症が起こる部位は以下の通りで上矢状静脈洞と横静脈洞をcheckするのが良さそうです。
・MRVを取ればわかるのですが、いつも取るわけではないので普通のMRIでもcheckできるようにしたいですね。上矢状静脈洞はMRI T2で基本真っ黒に写りますが、血栓ができてFlow voidがなくなると白くなります。
・また梗塞像はDWI高値、ADC高値の血管性浮腫パターンを取りうるので注意。他にはPRES、MELASがこのパターンを取ります。血管支配に沿わない脳梗塞を見てもCVTを疑いましょう。
https://n.neurology.org/content/92/13/e1526
診断は?
「脳静脈洞血栓症」
・脳静脈洞血栓症の場合、MRVの感度は比較的高いが偽陰性もあり得るため再検したところ、横静脈洞や上矢静脈洞に多発の静脈洞血栓を認めた。
・背景疾患として検索した抗リン脂質抗体陰性、アンチトロンビン欠損なし、プロテインC低下なし、factor V Leiden変異はなかったが、プロテインS活性が22%と低下していた。遺伝性プロテインS欠損の原因としてPROS 1geneの変異をcheckしたところ変異を認め、母親もプロテインS活性が低下していた。血栓傾向の家族歴は認めなかった。脳圧低下薬とヘパリンで治療を開始し、頭痛は1週間ほどで改善した。抗凝固薬はダビガトランに変更した。
というわけで1回のMRVでは除外できないんですね。調べるとMetaで感度86%、特異度94%でした。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29793135
・脳静脈洞血栓症が起こる部位は以下の通りで上矢状静脈洞と横静脈洞をcheckするのが良さそうです。
・MRVを取ればわかるのですが、いつも取るわけではないので普通のMRIでもcheckできるようにしたいですね。上矢状静脈洞はMRI T2で基本真っ黒に写りますが、血栓ができてFlow voidがなくなると白くなります。
・また梗塞像はDWI高値、ADC高値の血管性浮腫パターンを取りうるので注意。他にはPRES、MELASがこのパターンを取ります。血管支配に沿わない脳梗塞を見てもCVTを疑いましょう。
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