本日の朝レクチャーはACSの心電図でした。網羅されていて大変勉強になったので復習。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11934778

後壁梗塞は見逃しやすい。V7-V9誘導でST上昇(0.5mm以上)がないことを確かめるまではSTEMIで無いと言えない。後壁梗塞はSTEMIの0.7-7%を占めるよう(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24576519) 
スクリーンショット 2019-05-31 10.10.12

通常の心電図ではV1-3付近のR波増高(R/S wave ratio >1.0 in lead V 2)とV1-5のST低下に注意。後壁のMirror imageですね。Ⅰ, aVLでも少しST低下するようです。
スクリーンショット 2019-05-31 10.24.38
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17612703

V7-9を追加するとこんな感じ。少し上がっていますね。
スクリーンショット 2019-05-31 10.29.15

というわけで一番勉強になったのは後壁梗塞でしたが他にも

・左脚ブロック患者での心筋梗塞の診断はSgarbossa基準Modified Sgabossa rule(Sgarbossa基準2点以下で極性不一致のST上昇が25%以上)を使う
① 極性が一致した1mm以上のST上昇:5点
② V1-3での1mm以上のST上昇: 3点
③ 極性不一致のST上昇:2点

・右脚ブロックのQRS成分はST上昇と間違える場合がある。
・たこつぼ型心筋症はV1でST上昇が見られにくい。
・下壁梗塞を見たら大動脈解離を考える。
・下壁梗塞のReciprocal changeとしてaVLのST低下を覚えておく。

と勉強になりました。