低Ca血症を見たときはビタミンDや副甲状腺ホルモンの関与を考えますが、Mgも考えましょう。

低Mg血症では副甲状腺ホルモンの分泌を抑制するため、低Ca血症の原因となります。ちなみにNa-K ATPaseの働きを弱め、集合管に到達するNa、水分量を増やし、また集合管のRONK channelの抑制を弱めるため低K血症の原因にもなります。なので低Kも低Caもある時、特に検索しますよね。低Mg血症の原因は栄養障害、アルコール多飲、利尿薬、抗がん剤(シスプラチン)などが挙げられ、低K血症の原因とかぶります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18535072 

そこまでは何となく知っていましたが、表も見ると高Mg血症も低Ca血症の原因に書いてあります。へーと思ったので調べてみました。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6709029

7名の妊婦に早産を防ぐためにMgを静注した際の副甲状腺ホルモンとCa値をcheckした。Mg値は30分で2.0→6.1mg/dLに上昇し、値は維持された。Ca値は徐々に低下し3時間時点で8.6→7.6mg/dLとなった。PTH値も30分で13.1→7.8pg/mlへと低下し2時間は基準値以下だった。これらから高Mg血症もPTHを抑制していた。

というわけで高Mg血症も頭の片隅に置いておきましょう。