ACP日本支部年次総会で知った論文をもう1つ。SBP(Spontaneous bacterial peritonitis)の予防抗菌薬の話です。あまり知りませんでしたがスタンダードはノルフロキサシン400mg/dayの内服のようですね。

肝硬変患者がSBPを起こした場合は1年生存率が30-50%、2年生存率が25-30%とSBPは重要な合併症の1つです。ノルフロキサシン内服とPlaceboの再発予防のRCTでは1年間のフォローで再発率は20% vs 68%と有効性が示されています。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29946179 

今回はシプロフロキサシン750mg/weekがノルフロキサシン400mg/dayを比較した非劣勢試験です。非劣勢マージンは15%. 

患者は腹水のある20-75歳の肝硬変患者で以下の条件を満たす患者144名を1年間フォロー。49%がChild pugh C. 
・腹水中の多核球数<250/mm3
・腹水中タンパク≦1.5g/dL or SBPの既往
・HCCや2度以上の肝性脳症がある場合は除外

Primary endpointは1年間でのSBPの発症率。SBPは二次性腹膜炎を除外し、腹水中の多核球数≧250/mm3+腹水培養陽性と定義。

結果としては 1年間のSBP予防率はノルフロキサシン群 92.7% vs シプロフロキサシン群 96.3%(P = 0.712, 95% CIs for the difference, −7.1 to 11.2%)で非劣勢が示されました。このP値の解釈ができずに困っています。。非劣勢試験は差があることを帰無仮説にしていると思うのですが、95%信頼区間との兼ね合いが理解できていません。

(追記)
このP値は非劣勢におけるP値ではなく、優越性におけるP値ではないかとご教授いただきました。ですので解釈には95%信頼区間を見るだけで良さそうです。

というわけでシプロフロキサシン週1回の方がコンプライアンスの面でいいかもしれませんね。一次予防では肝移植待機時、二次予防は前例使用が推奨されていました。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60121-5/fulltext