最近、PETで診断したLV(Large vessel)-GCAを経験しました。後でエコーで見ると頸動脈、鎖骨下動脈に肥厚があり、「そっちでも診断できたか・・」という感じでしたので復習してみました。

LV-GCAの関与動脈は以下の通りです。
スクリーンショット 2019-07-27 4.26.50 PM
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4425829/

上行大動脈、大動脈弓、腹部大動脈辺りは造影CTで評価するので、漏れやすいのは頸動脈鎖骨下動脈腋窩動脈辺りでしょうか。この辺りはエコーで評価してもいいかもしれませんね。圧痛があればわかりやすいのですが。上肢のClaudication、Bruit、上肢の血圧の左右差にも注意ですね。

あとはLV-GCAのreviewを読んでみました。勉強になった部分を箇条書きにします。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29982778

・GCAでは胸部大動脈の大動脈瘤に17倍なりやすい。LVの関与は思っているより多そう。
・LV-GCAはC-GCAに比べてPMR症状や上肢のClaudication、Bruit、上肢の血圧の左右差が多く、頭痛や側頭動脈圧痛、眼症状は少ない。ARも見られることがある。
スクリーンショット 2019-07-27 4.42.31 PM
・PETの集積は肝臓より高い場合を有意とする(感度90%、特異度98%)
・大動脈瘤のフォローを経時的にすることを考慮する。

<追記>
large vessel vasculitisの画像検査については2018年にEULAR recommendationsが出ています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29358285

CTAは感度 73%、特異度 78%と微妙な数字(1つのsmall studyのみ). MRAについては感度特異度は不明。撮影方法について書いてあったので訳しておきます。

・1.5T、可能なら3.0Tが良い
・大動脈、頸動脈分岐部から腸骨動脈まで腋窩動脈や上腕動脈を含む。
・T1強調、脂肪抑制、造影での black blood imaging
・T2強調TSE imaging 

まあ放射線科と相談してから撮影するほうが良さそうですね。