36歳女性が繰り返す痙攣の精査目的に紹介となった。軽度の精神発達遅滞を認めていた。爪に以下の病変を認めた。
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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm073405

診断は?他に診る場所は?





















「結節性硬化症に伴う爪周囲線維腫」

・彼女は顔面に血管周囲腫を認めていた(写真は別ケース). 顔面の血管周囲腫はニキビと間違えられる場合がある。
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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1005598

・爪周囲線維腫は紅色の長楕円形の軟骨様の硬さの腫瘤で足の爪に顕著にみられる。外傷でもみられるが、非外傷性のものは結節性硬化症を示唆する。
スクリーンショット 2019-08-07 13.08.48
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra055323

・結節性硬化症は常染色体優性遺伝の疾患であるが無症候性の場合もある。原因遺伝子はTSC1とTSC2である。他には白斑やシャングリンパッチ(碁石状の隆起した局面:写真C)、肺過誤腫(気胸、呼吸困難)、心横紋筋腫、腎血管筋脂肪腫、てんかん発作、点状の骨硬化、精神発達遅滞、巨細胞性星細胞腫などを認める。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18722871

救急外来などでも痙攣の精査で軽症なものを見つけるかもしれませんね。