58歳女性がコントロール不良の高血圧と腎周囲の液貯留で紹介となった。6ヶ月前までは特に症状はなかったが、その頃より消化不良と腹部膨満感を感じるようになった。CTでは両側の腎周囲に嚢胞状の液貯留を認め腎実質は圧排されていた。また毛細血管拡張を全身に認めた。

採血でHb 16.6, Ht 51.7%と上昇を認めたが他の血球に異常はなかった。またTP 7.3g/dL, Alb 2.7g/dLと蛋白アルブミン乖離を認めた。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4400562/

診断は?





















「TEMPI syndrome」

・血清/尿蛋白電気泳動ではIgA-λのMonoclonalタンパクを認めた。骨髄生検では形質細胞を10%、低形成骨髄、赤血球過形成を認め、IgA typeのMGUSを伴うTEMPI syndromeと診断した。
・腹腔鏡で腎周囲の嚢胞を切除したところ、血圧のコントロールは良好になった。

・TEMPI syndromeはTelangiectasiasElevated erythropoietin level and erythrocytosis、Monoclonal gammopathy、Perinephricfluid collections、Intrapulmonary shuntingなどで特徴づけられる疾患群です。NEJMに6例をまとめたreviewがありました。
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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmc1106670

・原因ははっきりしませんが、異常タンパクが原因か?という説もありボルテゾミブ(プロテアソーム阻害薬)を使うことで毛細血管拡張、肺内シャントによる低酸素、腎周囲の液貯留が改善したという報告もあります。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22913703

というわけでMタンパク関連としてPOEMS syndrome、Systemic capillary leak syndrome、Schnitzier syndromeなどと覚えておいてもいいかもしれませんね。そろそろONRCとかで出てくるのでは・・と予測しています笑。