今日はSepsisの対応について症例を振り返りつつ、皆で勉強しました。以前抄読会で読んだ論文を復習。自分は結構すぐノルアドレナリンを準備するタイプです。
icu_syuchuchiryoushitsu
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30704260

低血圧を伴うSepsisを早期ノルアドレナリン群通常治療群に割り付けたrandomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. 対象者は18歳以上のERでMAP<65mmHgで感染が原因に疑われ、Sepsisの定義(SSCG 2012)を満たした320名(平均年齢は約65歳). 頭蓋内疾患、急性肺水腫、消化管出血、外傷、ACS、手術が必要な症例などは除外されている。

・早期NA(ノルアドレナリン)群:補液開始と同時にノルアドレナリン(4mg/250ml)を0.05γで開始。
・通常治療群: 補液開始と同時にPlaceboを開始。

適切な補液(30ml/kg)でMAP>65mmHgに達しない場合はOpen labelで昇圧剤が使える。その他の治療(晶質液輸液、適切な抗菌薬治療、感染巣コントロールなど)はSSCG 2012に従い同等に行った。Primary outcomeは診断から6時間以内のShock control rate(MAP>65と十分な末梢循環:Lacと尿量で判断)。

<結果>
ER到着より早期NA群は93分、通常治療群は192分でノルアドレナリンが導入されていた。Shock control rateは76.1% vs 48.4%で有意に早期NA群の方が高かった. MAP>65mmHgを達成するまでの時間も早期NA群の方が早かった(3時間30分 vs 4時間45分).

輸液量やノルアドレナリンの総量は変わらなかった。Day1では約5000ml輸液されていました。早期NA群は肺水腫が少なく(14.4% vs 27.7%)、不整脈発生も少なかった(11% vs 20%)。四肢壊死や腸管壊死は変わらなかった。
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最初のノルアドレナリンとplaceboの割付で血圧の反応性を見て、どちらが割り付けられているかわかり盲検化できていない部分はあるかもしれません。

また28日死亡率については有意差がついていません。こちらはprimary outcomeをこっちにして症例数を増やせば差がつくかもしれません。
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