アルコール肝硬変の既往のある65歳男性が呼吸苦で受診した。レントゲンで左胸水を認め、穿刺にて白色の胸水を認めた。
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https://www.heartandlung.org/article/S0147-9563(15)00103-X/abstract

胸水検査では漏出性でありリンパ球優位(TP1.3, LDH 53, コレステロール16)であった。胸水TGは235mg/dLと高値を認めた。腹水も認め、穿刺にて乳び様(TG 180)であった。

診断は?
 




















「肝硬変に伴う漏出性乳び胸腹水」 

・多くの乳び胸は滲出性であり、原因はリンパ腫などによる腫瘍性や外傷性のリンパ管閉塞による。
漏出性の乳び胸は珍しく肝硬変が原因のことが多い。他にはネフローゼ症候群、アミロイドーシス、SVC血栓、心不全などがある。
・肝硬変による乳び胸は乳び腹水が横隔膜の欠損を通じて胸腔内に移動するとされている。乳び腹水は門脈圧亢進によりリンパ管圧が上昇し、最終的には拡張したリンパ管が破裂することによるとされている。

・肝硬変に伴う胸水は右が85%を占める。腹水を認めない場合もある。テクネシウムシンチで診断がつく。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10492320