ボスからメーリスで教えてもらった論文。入院中に血圧が上がる患者は多いが、その血圧上昇に対して降圧治療を強化することのメリット・デメリットをPropensity scores matchingで調べたretrospective cohort study. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31424475

65歳以上の高血圧治療を受けている入院患者で退院時に降圧治療が強化されているかどうかをみた。降圧治療の強化は新しい降圧薬が始まっているか、量が20%以上増えているかで定義。Propensity score matchingを行い、4056名のmatched-pairs cohortを作成した。Primary outcomeは30日以内の再入院、serious adverse event、1年以内の心血管イベントとした。

結果は退院30日以内の再入院率は治療強化群で高く(HR 1.23, 95% CI, 1.07-1.42; NNH 27)、副作用も多かった(HR 1.41 95% CI, 1.06-1.88; NNH, 63). 
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1年後の心血管イベントに有意な差はなく(HR, 1.18; 95% CI, 0.99-1.40)、sBPに変化なかった(mean BP, 134.7 vs 134.4). 

Propensity matchingではありますが、降圧治療は長い目で見たほうが良いということでしょうね。