今日なに読もう〜病院総合医の論文ブログ〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

2019年03月

Opalski's syndromeとは

Wallenberg症候群らしい症状に麻痺を伴った患者がいました。Wallenberg症候群語呂合わせは「我は極道症候群」。国試のときはもっといい語呂合わせがあった気がするなあ・・。

:"われ"んべるぐ :Ⅷ→前庭神経:嘔吐、めまい :Ⅴ→三叉神経:顔面の温痛覚障害 くどう=Ⅸ・Ⅹ→舌咽・迷走神経:カーテン徴候、球麻痺(嚥下、構音障害)、味覚障害 :小脳症状 :交感神経症状→Horner症候群 :その他=対側の温痛覚

ということで普通は錐体路障害を来しません。図(下が前)でみても錐体路は延髄外側から離れていますね。

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ただ前の方もやられると、錐体路をやられて麻痺がでます。障害部位と同側の場合はOpalski's syndromeで、対側に麻痺が出た場合はBabinski‑Nageotte syndromeとなります。病変と錐体交叉の位置によるようです。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3579029/

振戦を見たらどう考える?

いつも良くわからなくなるのでブログにまとめてみます。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19893794

まず振戦を見たら静止時(rest) or 運動時(Action) かを判断する。静止時振戦は安静時振戦とも呼ばれパーキンソン病が有名です。本態性振戦では上肢の前方挙上ですぐに振戦が出現しますが、パーキンソン病では挙上後、数秒してから振戦が現れることがあり、Re-emergent tremorと言います。

運動時は主に姿勢時(Postural)、動的(Kinetic)、企図(Intention)に分かれる。そしてそれぞれが以下のように分かれる。姿勢時振戦は一定の姿勢や肢位を取って筋を緊張させた時に出現します。姿勢時振戦は目標に達しても振戦は続きます。小脳失調によるものは企図時振戦(Intention)で目標に向かう動作で出現し、近づくと増強するものです。動的振戦は目標に近づくにつれて呈します。

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薬剤でも振戦が起こりますが、薬によって起こる振戦の種類が変わります。姿勢時振戦が多いですね。

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骨折でALPはどれくらい上がるのか

腰椎圧迫骨折でALPが500くらいまで上がっている人がいました。どれくらいまで上がるのでしょうか?

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16568384

骨粗鬆症患者で大腿骨頚部、転子部骨折を呈した69名のALPを手術前、手術後1,2,3,4,6 and 8週でcheckした。平均年齢79.1歳(56-98歳)、結果は以下の通り。

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手術はされていますが、3週でピークに達しています。折れた当初はそれほど上がっていないですね。というわけでフォローして上がってきたら精査かなあ。

Abadie's signについて

ボスの回診で教えてもらいました。Abadie's signとはアキレス腱を強く握っても痛みが出ない所見です。

梅毒の脊髄癆の患者さんで80%に見られたとされており、後索がやられている深部感覚異常のサインと言われています。最近では脊髄癆の患者さんはほとんどいないので、糖尿病の神経障害の患者で診ることができます。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23949372 

糖尿病で少なくとも一側のAbadie's sign陽性の患者18名と両側陰性の糖尿病患者18名を比較。両群でToronto Clinical Neuropathy Score (TCNS)を調べた結果、陽性群は陰性群に対して有意に点数が高く(神経障害を示しました。

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ちなみにToronto Clinical Neuropathy Score (TCNS)は下記の3要項を調べたもので、点数が高いほど神経障害が悪くなります。
・症状( foot pain, numbness, tingling, weakness, ataxia and upper limb symptoms)
・膝蓋骨、アキレス腱反射
・ sensory test score

繰り返す肺炎の鑑別は?

1年に3回肺炎を繰り返している人が入院しました。Recurrent pneumoniaとしての検索が必要と判断。

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https://www.uptodate.com/contents/approach-to-the-adult-with-recurrent-infections#H23

<Recurrent pneumoniaの鑑別>
・結核
・免疫抑制:HIV、原発性低ガンマグロブリン血症(CVID:Common variable immunodeficiency、Good症候群、選択性IgA欠損症)、多発性骨髄腫
・クリアランスの不良:気管支拡張(副鼻腔炎)、
・嚢胞性繊維症
・気管閉塞(腫瘍、異物) 
・誤嚥を繰り返す状態:てんかん、神経疾患
・気管食道瘻
・同じ場所に繰り返す場合は肺や気管の構造異常

3連痰とCTをその目で見直すのとHIV、免疫グロブリンcheckですかねえ。 
プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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