今日なに読もう〜病院総合医の論文日記〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

2019年04月

PSVTに対するValsalva Maneuver

PSVTの治療で寝たまま足上げバルサルバでも上手く治ったので復習。

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普通のバルサルバ法の成功率は5-20%程度のようです。いいのは修正バルサルバ法なのかもしれませんが、少し面倒・・。修正バルサルバは45度座位で40mmHgの圧を15秒させておいて、吹き終わったら座位から臥位にさせて足を45度上げて15秒待ちます(動画参照)。


https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(15)61485-4/fulltext

これでSinus復帰率は通常の座位バルサルバに比べて17%→43%に上がります。でも座位から臥位にさせるのも面倒ですし、まあVenous returnを増やして動脈圧を上げて迷走神経緊張を上げるだけでいいなら臥位で腕を上げてみては?と提案している論文もあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27658335

というわけで今回は足も上げてみましたがうまくいきました。ちなみにテルモ10ccのシリンジを思いっきり吹くと40mmHgくらいなのでお試しあれ。

肺炎球菌ワクチンは尿中抗原偽陽性を起こすか?

23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®)で尿中抗原は偽陽性となるのでしょうか?
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18184209

3ヶ月以内に肺炎の既往のない施設入所中の10人(平均年齢 86±7.7歳)に23価肺炎球菌ワクチンを打ち、1日後・7日後に尿中抗原をcheckした。接種前には全員尿中抗原(-)であった。

1日目の尿中抗原は3/10で陽性であり、7日目は全員陰性であった。というわけで1週間程度立っていたら偽陽性は少なそうという理解で良さそうですかね。n少ないですが

他の論文も読んでるとそもそもワクチン接種後5日間は尿中抗原checkは推奨されていないみたいですね。

こちらではtotal 49名(HIV positive 27名、negative 22名)でcheckされており、結果は以下の通りでした。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15599657

 7日後に陽性の人も少しいるんですね。

<追記>
Viridans group(緑色レンサ球菌)の菌血症では交差反応して偽陽性を起こすことがあるようです。 特にS.mitis groupみたいですね。mitis groupにはoralisやsanguinisがいます。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15872298 

あと、子供ならcolonizationしてると偽陽性になり得るようです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15472361 

肝性脳症以外の高アンモニア血症の原因

肝性脳症以外の高アンモニア血症の原因をまとめました。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20920686

先天性門脈体循環シャント、バルプロ酸、ウレアーゼ産生菌尿路感染症、2型成人発症高シトルリン血症らへんが重要な鑑別ですかね。
 

PSPのMRI画像所見について

PSP(Progressive Supranuclear Palsy:進行性核上性麻痺)のMRI画像所見も色々ありますよね。

わかりやすいのはThe midbrain/pon ratioです。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27160570

PSPでは橋に比して中脳が萎縮します。つまり頭(中脳)が比してお腹(橋)が出ているペンギンのような形になります(Penguin sign)。MSAやParkinson diseaseと比較して、太い線の比が0.52以下の場合、PSPの特異度100%だったと報告されていました。

"Mickey Mouse Sign"というのもあります。AxialのT1で中脳被蓋が萎縮し、大脳脚と中脳蓋は比較的保たれ、ミッキーマウスのようになります。
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http://www.mmj.eg.net/article.asp?issn=1110-2098;year=2017;volume=30;issue=1;spage=325;epage=326;aulast=Jalal

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ちなみに中脳被蓋の上丘に目を動かす神経があるのでPSPでは眼球の上下運動が出来なくなります。

また"Morning glory sign"というのもあります。朝顔サインです。
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中脳被蓋が萎縮し切れ込みが深くなり、朝顔のように見えるサインです。色々ありますね。
 

抗GAD抗体関連神経疾患について

抗GAD抗体は脳の抑制系伝達物質であるGABAの形成に必要なGAD(Glutamic acid decarboxylase)  enzymeに対する抗体で各種の神経疾患に見られる場合があります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5107286/

① Stiff person sydrome
② Paraneoplastic Stiff person syndrome
③ Miller Fisher syndrome
④ Limbic encephalopathy
⑤ cerebellar atxia
⑥ Eye movement disorders
⑦ Epilepsy

などです。

この中でStiff person syndromeについて。変動性、進行性の体幹/四肢近位の筋肉のrigidty、痛みを伴うSpasmを起こす疾患です。主動筋と拮抗筋が同時に動くことによりrigidtyが生じると言われています。その結果、振り向いたり腰を曲げたりが難しくなります。Spasmは音刺激や触覚刺激、感情的起伏で引き起こされることがあります。抗GAD抗体は60%ほどで見られるようです。

20名のStiff person syndromeの調査では平均年齢は41.2歳で、症状発生から診断までには平均6.2年かかっていました。全員が抗GAD抗体陽性で1型DMで認められるよりもかなりhigh-titerでした。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11094109


ridigityは非対称性に進行することもあります。13人は顔面に出て仮面様顔貌になっていました。しかしcogwheel様の固縮や痙縮は1人も認めませんでした。

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特に女性のStiff person syndromeでは過度に前彎が強くなり、脊椎周囲の筋肉と腹筋がどちらも痙縮することによるようです。
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転倒はとても多く月に平均3-4回は転倒していました(Rigidtyが歩行にも影響するようです)。

プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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