今日なに読もう〜病院総合医の論文ブログ〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

2019年08月

肺炎の診断に重要な問診、診察は?

肺炎の診断でいつも何を意識しているかを考えながら表を作ってみました。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9356004

1つ1つはそれほど尤度比は高くないので、組み合わせていくしかない感じですね。この論文読んでから寝汗は聞くようにしています。呼吸音減弱はもっと注意して聞かないといけない。上気道炎?と思っても呼吸数が速かったら注意です。

これ以外には胸膜痛(息を深く吸って痛くないか)とSpO2の軽度低下は重要ですね。

NSAIDsが高カリウム血症を起こす機序は?

メモ代わりに。尿のカリウム排泄を制御するのは次の2つ。

① 集合管への十分なNa供給
② アルドステロン

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3894511/

NSAIDsによりシクロオキシゲナーゼが阻害されることにより
① 糸球体濾過量を減らすことによりNa排泄量を減らし、ネフロンでのNa再吸収を増やす

② マクラデンサのプロスタグランジン産生を低下させることにより、レニン産生を減らす→レニンが減ることによりアンギオテンシン量が減り、副腎でのアルドステロン産生量が減る。

またNSAIDsにより4型RTAを起こし、カリウム上昇を起こすこともある。

在宅診療と病院の連携について講演しました

先週の話になりますが、当院の市民講座で在宅診療と病院の連携について講演しました。

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自分自身は一般の人に話するのは結構好きで、外に出ていって地域への健康増進活動に参加していきたい派です。病気になる前の段階に介入したいですよね。もう病院の医師も病院の中に留まる時代では無いと思うのです。
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当日は総合診療の紹介と急性期病院と在宅診療の連携について話しました。
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個人的には急性期病院も地域包括ケアシステムの1つとして地域を支える視点を持てるかが今後重要と感じており、その部分を話すときに熱が入りました。

講演後には「食べられなくなった時に胃瘻はしたくないのだが、それは良いことなのか?」「1人暮らしなのですが最後まで家で暮らせるのでしょうか?」などたくさんの質問を頂きました。在宅診療への関心の高さが伺われました。

貴重なご機会を頂いたボスに感謝したいと思います。

Kanavelの4徴候

今日の朝レクチャーは適々斎塾の復習でした。行きたかった回で行けるはずでしたが家庭の事情により断念した回だったので個人的にも勉強。

Kanavelの4徴候とは

① 指のびまん性腫脹
② 指関節の軽度屈曲位での拘縮
③ 受動伸展時の激痛
④ 屈筋腱の走行に沿った圧痛

で腱に炎症が及んでいることを意味します。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27806242

上の症例はVibrio vulnificus感染でした。デブリードマンする範囲を考えるのに重要ですね。

黄色ブドウ球菌のD-zone test

科内のメーリスで話題になっていたので原理を勉強してみました。

黄色ブドウ球菌に対するクリンダマイシン (CLI)は内服でも使用可能なため、長期抗菌薬治療が必要な場合(骨髄炎など)に重宝します。ミノマイシンが使えればそれでもいいのですが耐性の場合もあります。

治療にCLIが使えるか判断する際には感受性を見るわけですが、CLI Sの場合、エリスロマイシン (ERY)の感受性を見ます。ERY SであればCLIは使用できます。

ただERY Rの場合は使えない場合があり、その際にD-zone testが必要になります。 CLIやERYは細菌の細胞壁の50S リボソームサブユニットに結合し、タンパク合成を阻害することにより抗菌作用を発揮します。

黄色ブドウ球菌がこれらに耐性を持つ機序はいくつかあり、erm遺伝子による抗菌薬の目標部位のリボソームのメチル化、msr A遺伝子による抗菌薬の外部への流出(これはエリスロマイシン)などがあります。問題になるのはmacrolide-lincosamide-streptogramin B (MLS B)resistanceです。これは上記のerm遺伝子によるメチル化で起こります。この交差耐性は構造的(constitutive)なものもあれば、誘導される(Inducible)なものもあります。そしてERYはeffective inducerで、CLIはweak inducerのようです。

MLS B耐性がinducibleな場合は、In vitroでERY R, CLI Sとなります。この場合はIn vivoでCLIを使っているとerm遺伝子変異株が生き残り、CLIは使えなくなることがあります。一方msr A遺伝子による耐性の場合もIn vitroでERY R, CLI Sとなりますが、この場合はIn vivoではCLIは使えるようです。 

この2つ(erm遺伝子変異株 vs msr A遺伝子変異株)を見分けるのがD-zone testです。
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https://jcm.asm.org/content/43/4/1716

これはEがエリスロマイシンで、CCがクリンダマイシンで菌株が増殖できるかを見ています。Eに近づくと増殖できていない真っ直ぐなラインができるのがD-zone test陽性でERYがCLI耐性を誘導していることになるため、erm遺伝子変異株でMLS B resistanceがあるということを示します。つまり、CLIを使うと耐性になることがあります。

msr A遺伝子変異の場合は以下のようになります。
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あ〜やっと理解できた。
プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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