久しぶりにTorsade de Pointes(TdP)を見ました。初期研修の時、薬物大量内服でTdPになった患者さんを担当してICUで次不整脈出ないか1人怯えていたのを懐かしく思い出します。

TdPは不整脈の1形で特徴的な形を有する多形性心室頻拍です。Torsade de Pointesは「棘波の捻れ」を意味するフランス語のようです。
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https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.109.192704

TdPの心電図の特徴は
① QRS波の振幅・形態(捻れ)が変化する
② スタートのRR波はShort-Long-Shortパターン(PVCとpause→T波のpeak近くへPVC)
③ Warm-up phenomenon:最初の数泊は遅い。VFと比べると遅い。160-240beat/min
④ 自然に収まることが多い。最後の数泊は遅くなる。

QT延長が背景にあることが多く、QTcが伸びていくごとにTdPのリスクは上がる(10ms毎に5−7%).多くはQTc 500msに多い。QTcが540msの場合、440msと比べてTdPのリスクは63−97%上昇する。あとはU波も危険なサイン。

Risk factorとして以下のようなものがある。低K血症、低Mg血症、薬剤などは特に注意。低Ca血症も?
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22593664

薬剤は以下の通り。ハロペリドール(セレネース®)はせん妄に使うこともあり注意ですね。
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QT延長は活動電位の延長を意味し、内向き電流の増加(Naチャネル or Caチャネル)もしくは外向き電流の減少(Kチャネル)を反映する。心筋の再分極はカリウムイオンの流出により媒介される。この遅延整流カリウム電流は2つのsubtypeに分かれ、IKr (rapid)とIKs (slow)である。

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QT延長するような薬剤はIKrをブロックすることにより、phase 3の心筋再分極を遅らせるによりQTを延長させる。再分極期間が伸びることにより早期後脱分極(Early AfterDepolarizations;EADs→脱分極振動)が引き起こされ、閾値電圧を超えたEADsが心室性期外収縮となりTdPの1拍目の機序となっている。

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治療はとりあえずMg 2gをbolusで入れましょう。副作用は投与中のFlushくらいです。あとは他の電解質補正。コントロールが難しければTemporary pacingでしょうか。