これも適々斎塾の復習です。

Squeeze test
とは手のMCP関節や足のMTP関節の炎症を1つ1つ見る代わりに手や足をギュッと握って痛みが出るかをcheckする診察方法です。自分も時間がない時に外来で使っていました。

この診察方法の感度特異度の研究。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25911456

2年以内発症の関節痛で診察上関節炎が認められる(手関節、足関節に限定ではない)かつ今後関節炎に進行していくだろうと推測される患者152名で手足のSqueeze testが施行された。関節炎以外の診断が初診で付く場合や見た目上明らかに関節炎がある患者は除外。

Primary outcomeはrheumatological expertの診察でのMCP関節、MTP関節での関節炎。Secondary outcomeでは造影MRIでの関節腫脹の有無。各々の評価はblindされている。

MCP関節のSqueeze testは診察での関節炎に対して感度 53%、特異度 82%(LR+ 3.0, LR- 0.6)であり、MTP関節のSqueeze testは感度 54%、特異度 74%(LR+ 2.1, LR- 0.6)であった。

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MRIとの比較ではMCP関節のSqueeze testは感度 39%、特異度86%(LR+ 2.8, LR- 0.7)であり、MTP関節のSqueeze testは感度 31%、特異度69%(LR+ 1.0, LR- 1.0)であった

全員の患者が手足両者に症状がなかったので、症状のある手、足に限定してSubgroup analysisを行ったがそれでもMCP関節は感度 56%、特異度 73%、MTP関節は感度65%、特異度63%と低かった。

というわけで見た目上明らかに関節炎がある患者は除外されているものの、Squeeze testの検査特性特に感度は思ったより低いことがわかりました。しっかり診察しないといけないですね。