昨日は内科学会の「内科学の展望」に参加しました(専門医更新の点数稼ぎ). そこで知った所見。

48歳男性が手の有痛性の潰瘍で皮膚科を受診した。潰瘍は6ヶ月前より出現し、同時期より労作時呼吸苦を認めていた。潰瘍は進行性に悪化しており、手掌・肘に認めていた。口腔内に潰瘍と眼窩周囲にも認めている。
スクリーンショット 2019-10-27 13.15.09
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31365803

診断は?






















「抗MDA5抗体陽性 皮膚筋炎」

・筋力低下や関節炎は認めず、胸部CTで境界明瞭な結節陰影を認め器質化肺炎と考えられた。採血で抗MDA5抗体陽性であり抗MDA-5抗体陽性皮膚筋炎と診断した。下部消化管内視鏡やCTでは悪性腫瘍は認めなかった。ステロイド治療と免疫抑制剤(ヒドロキシクロロキン、MMF、IvIg)や血流改善治療(アスピリン、ニフェジピン、シルデナフィルなど)が施行され、潰瘍は治癒し呼吸器症状も改善した。

・抗MDA-5抗体陽性皮膚筋炎は筋症状に乏しく、間質性肺炎は急速に進行し治療抵抗性である。典型的な皮膚筋炎の皮疹(ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、ショールサイン)に加えて、特徴的な皮膚症状としてゴットロン徴候の潰瘍化、口腔内潰瘍、有痛性の手掌紅斑/丘疹、脱毛症、脂肪織炎などがある。

スクリーンショット 2019-10-29 7.56.23
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29229575

<指節関節の内側手掌紅斑、丘疹>
・鉄棒まめ様皮疹ともいう。過角化(B)や潰瘍化(C)することも。
スクリーンショット 2019-10-27 17.40.10
スクリーンショット 2019-10-27 17.40.41
スクリーンショット 2019-10-27 17.41.01
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21531040

別論文でも手掌丘疹。
スクリーンショット 2019-10-27 18.56.07
https://pdfs.semanticscholar.org/e9ea/9093f9b135110dda56b8662872d4ce559ef7.pdf

スクリーンショット 2019-10-29 7.59.23
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29229575

<ゴットロン徴候の潰瘍化>
スクリーンショット 2019-10-27 17.51.12
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21531040

皮膚筋炎の中でも抗MDA5抗体陽性に特徴的な皮膚病変パターンがあることは知りませんでした。迅速な治療介入が必要な疾患なので重要ですね。