ヒトCK(クレアチニンキナーゼ)は骨格筋型(MM)、脳型(BB)、ハイブリッド型(MB、心筋型)の3つに分かれる。これらの分子量は80kDa程度だが、マクロCKとは上記の3パターンとは異なり高分子 (200kDa)である。

マクロCK血症を疑うタイミングとしてはCK-MBの比率がCK全体の25%以上の時が多いと思います。CK-MBは最も含有比率の高い心筋でも25%以下であり、これ以上となると偽高値の可能性があります。心筋障害のCutoffもだいたい10%以上とかですよね。

CK-MBの測定は免疫阻害法(抗CK-M抗体)で行われており、MBのうちの残ったBを2倍してCK-MB量としています。BBやマクロCKがない前提で計算されるので、抗体が反応しないマクロCKが存在する場合はそれも含めて2倍し、CK-MBが異常に増えてしまうということです。

マクロCK血症はType 1とType 2に分かれ、CK電気泳動検査では以下のようなパターンをそれぞれ示します。Type1は免疫グロブリンとの複合体(IgG/κが多い)、Type2はミトコンドリア由来のCKとされています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20103489

<Type 1> 甲状腺機能低下症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、筋炎、潰瘍性大腸炎、急性心筋梗塞などと関連する。
スクリーンショット 2019-11-07 11.44.18
<Type 2> 悪性腫瘍(大腸癌、肝細胞癌など)と関連する。
スクリーンショット 2019-11-07 11.44.26