大球性貧血の鑑別とMCVの関係 : 今日なに読もう〜病院総合診療医の論文ブログ〜

ボスに教えてもらった大球性貧血の鑑別についての論文。色んな原因があるんですねえ。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27352093

結論から言うとこの論文で勉強になったのは以下の図です。

・MCVが100以上でもそれほど高くなければ色んな原因があり、MDSが最も多い。
・130を超えるとMegaloblasticか薬剤。

MCV≧100fL以上の貧血で東北大学病院血液内科に受診した628名の原因を調べた。血液腫瘍の抗癌剤治療後の患者は除外されている。原因の順位は以下の通り。

① MDSによるbone marrow failure syndromes(BMF)：19.3%
② Aplastic anemia（再生不良性貧血)：8.1％
③ 形質細胞異常増殖症：7.2%
④ Vit B12欠乏：6.4%
⑤ 薬剤性：6.2%
⑥ 肝疾患：6.1％

平均MCVが110を超えているのは葉酸欠乏、ビタミンB12欠乏、Alcoholismの3つであった。薬剤にはヒドロキシウレア(7名)、MTX(5名)などが含まれていた。

Megaloblastic anemia（ビタミンB12欠乏と葉酸欠乏）の比率はMCVが上昇するにつれて以下のように上昇した。