Otitis Media with ANCA Associated Vasculitis（OMAAV)は急速な聴力低下とANCA陽性を特徴とします。概念は知っていましたが、実際診るのは初めてなので勉強。Localized GPAなのか？

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25339433

全身性のAAVは19-61%でその経過中に耳の問題を起こしますが、限局的なTypeは珍しいとされます。しかし診断が遅れると聴力障害が不可逆になるので初期の限局的な段階で診断するのが重要です。生検で壊死性血管炎を見つけるのが重要ですが、中耳からの生検で見つけるのは困難。



日本の235例のケースシリーズでは19%でPR3-ANCA陽性、60%でMPO-ANCA陽性、両者陰性が16％。年齢の中央値は68歳. 顔面神経麻痺合併が36％、肥厚性硬膜炎 28％であった。肺障害が35％、腎臓が26％で合併していた。聴力障害 99%、耳漏 51%、耳痛 41%、耳鳴り51％、めまい27%、頭痛26%. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27166750

典型的な症状は
① 急速進行性（2ヶ月以内）の聴力障害を伴う中耳炎
② 中耳炎は抗生物質や鼓膜切開で改善しない
③ PR3 or MPO-ANCA陽性
④ 顔面神経麻痺と肥厚性硬膜炎を合併することがある
⑤ 鼓膜所見は浸出液 or 肉芽腫を伴う
⑥ ステロイドや免疫抑制薬が効く


（鼓膜は発赤し粘液性浸出液あり。右中耳と乳様突起は埋まっている。ガドリニウム造影で硬膜は肥厚している。病理は硬膜）

提案されている診断基準は以下の通り。鑑別疾患を知っておきましょう。


聴力検査は伝音難聴、もしくは混合性を示す事が多い。