あけましておめでとうございます。今年も育児の合間でブログをぼちぼち書いていこうと思います。

NEJM journal watchをチェックしていて見つけた面白い論文。NAFLDの原因にHigh-alcohol producing Klebsiella pneumonia(HiAlc Kpn)が関係しているのでは?というものです。
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https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1550413119304474

Fatty Liver Disease(FLD)にはNonAlcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD)Alcoholic FLD (AFLD)があります。これらは最初肝臓への脂肪沈着より始まり脂肪肝→炎症→線維化→肝硬変→肝細胞癌と進んでいきます。NAFLDは肥満やインスリン抵抗性、脂質異常症などと関連することがわかっていますが、腸内細菌叢の変化も関連していると言われています。その中のHiAlc Kpnについての論文です。

この研究に至ったキッカケは最初1人の脂肪性肝疾患の患者(アルコールは飲んでいない)でアルコール濃度を測ったところから始まったそうです。その患者では40mg/dLと軽度高値を認め、その後アルコールfreeの高炭水化物食を食べさせてもアルコール濃度の軽度高値が保たれたそうです。その患者の便からHigh-alcohol producing Klebsiella pneumonia(HiAlc Kpn)が検出され、それによる腸発酵症候群(autobrewery syndrome:ABS)が疑われたところからこの研究は始まりました。

つまりNAFLDではHiAlc Kpnによりアルコールを飲んでいないのに、細菌により腸内で産生されるアルコールにより肝障害が起きているのでは?」という話です。面白〜い!

まずNAFLD 43名とControl 48名で便を調べたところ、NAFLDでは61%でHiAlc/MedAlcのKpnが検出されたのに対して、正常Controlではたった6.25%でした。
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またその細菌を多く含むヒト糞便を、無菌マウスに経口投与で移植したところ、マウスは典型的な組織像と血液生化学的プロファイルを伴ったNAFLDを発症しました。糞便を経口投与によって移植する前に、HiAlc Kpnを選択的に死滅させた場合は、強制経口投与はNAFLDを引き起こしませんでした。

というわけでまだまだ研究段階ではありますが、とても面白い論文でした。