感染合併胸水はのべつくまなく穿刺すべきではあるのですが、今日はドレナージ/手術が必要な複雑性肺炎随伴性胸水/膿胸をCTで予測できるか?というお話。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26076488

膿胸18名、複雑性(CPPE)18名、単純性43名のCTを後ろ向きに評価した論文。Split pleura sign胸水のHU値(>10)胸水量の診断特性を調べている。

Spilit pleura sign両側の胸膜が肥厚して胸水が分離されている状態 (C,D)。Hemi-split pleura signは片側の胸膜が肥厚している状態(A,B)。評価は単純CTでされている
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胸水の量はこのように距離で測定している。
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それぞれの画像所見の割合は以下の通り。Split pleura signの割合はCPPE/empyema群が80.6%、PPEが25.5%であった。
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それぞれの所見の感度特異度は以下の通り。PE≧30mmとSplit pleura signどちらもなければ否定に使えるかもしれません
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ちなみに症状や一般のlabo dataで2つの区別は難しかったです。まあ他の胸水をきたす疾患(悪性腫瘍、膠原病、結核)の精査も必要なので結局穿刺はすると思いますが、1つの手がかりになりそうですね。