41歳女性が2日前より下唇に痛み/かゆみのある水疱ができたと受診した。彼女は1年前にも同じ場所に水疱ができ自然に治っていた。粘膜病変はない。
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https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2757729

行うべき問診と診断は?





















「薬剤歴で固定薬疹」

・彼女は1年前も今回もイブプロフェンを内服していた。イブプロフェンはこの間も何回も飲んでいた。イブプロフェンは中止し2週間ほどで改善した。イブプロフェン10%ワセリンでのパッチテストで同じ場所に紅斑を認め陽性となった。
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固定薬疹(fixed drug eruption)は同一場所に起こる皮膚/粘膜の副作用である。よく起こる場所は手、足、唇、生殖器である。皮疹は孤発性もしくは複数の円形紅斑が多いが、水疱化することもある。薬疹全体の約39%を占める。炎症後の色素沈着を起こすこともある。NSAIDs、アセトアミノフェン、サルファ剤、テトラサイクリン、アモキシシリンなどで起こる。感作は最初の薬剤内服後数週(場合によっては数年)で起こり、その後の内服で皮疹は30分〜8時間で起こる。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3314040/

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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1013871

・口唇ヘルペスは同じくらいの大きさの水疱が複数集簇し、膿疱や出血を起こす事が多く本症例のような大きな水疱は来さない。