Aspirin-Exacerbated Respiratory Disease(AERD)「アスピリンやNSAIDs内服後(30-90分後)の副鼻腔/鼻腔の粘膜腫脹、鼻茸形成、喘息」を指します。発症年齢の中央値は30歳で喘息患者の7.2%に認められます。COX-1阻害によるPGE2減少が問題であり、COX-2阻害選択性が高い場合は誘発しないです

以前NEJMにAERDのreviewがあったなと読んでみると色々面白いことが載っていました。注目は下の表です。OACはOral Aspirin Challengeのことです。


スクリーンショット 2020-01-10 23.26.32
(White AA, Stevenson DD. Aspirin-Exacerbated Respiratory Disease. N Engl J Med. 2018 Sep 13;379(11):1060-1070.より引用)

興味深かったところだけ抜き出すと
・喘息があってもCTで副鼻腔に異常がないExtremely unlikely
・アルコール飲料を飲んだ後に喘息が誘発される→Highly Likely
・鼻茸と強い嗅覚障害→
Highly Likely

アルコールにより症状が誘発される機序はよくわかっていないようです。画像も手がかりになるんですね。


昔研修医時代にはAERDを疑った場合はビソルボン液(パラオキシ安息香酸エステルが含まれている)、コハク酸エステル型のステロイド(サクシゾン、ソルメドロール)は使わないように習いましたねえ。

<追記>
サリチル酸化合物を含む野菜/果物(トマト、きゅうり、いちご、柑橘類、ぶどう、じゃがいも、香辛料)やミント、練り歯磨き、化粧品や湿布も誘発するので注意です!