知り合いのSNSに載っていた論文。高脂血症?みたいな話は聞いたことがあったが、甲状腺機能低下症も考えられるんですねえ。
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https://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(18)30579-2/fulltext

諸説ありますが、この絵はフランチェスコ ・デル・ジョコンドの妻リザが子供を出産後(24-27歳)にモデルになったそうです。

・左眼瞼内側に黄色腫がある
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・左手背の浮腫は皮下脂肪腫
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15326839

これらと年齢からは今までは家族性高コレステロール血症だったのでは?と推測されていました。またミステリアスな微笑み方はBell麻痺の後遺症なのでは?とも言われてます。そしてこの論文では甲状腺機能低下症の可能性について述べられています。上に挙げた高コレステロール血症も甲状腺機能低下症に伴うものとの推測です。

・皮膚が黄色なのは角質層へのカロテン沈着の影響(甲状腺機能低下症では肝臓でのカロテン→ビタミンAの代謝が落ちる)


・毛髪が薄く後退している。
・眉毛がない
・Mysteriousな微笑みは甲状腺機能低下症に伴う精神遅滞や筋力低下が関係している
・よく見るとGoiterがある
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など多少無理矢理感は否めないですが、色々考察されていました。眉毛が全部抜けるのはSLEか梅毒と覚えていましたが、甲状腺機能低下症でもなんですかね?Hertoghe signは外1/3ですね。あとはPBC合併していたのでは?なども書いていました。



ルネッサンス期のイタリアは穀物や根菜、マメ科がメインで肉やシーフードはほとんど食べておらずヨード不足はcommonでgoiterは絵画でもよく見られたようです。
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またこの絵が書かれたのが出産直後ということから周産期の甲状腺炎で慢性的には甲状腺機能低下症に至った可能性も指摘されていました。絵画から推測する病気みたいな話は個人的にはすごい好きなので、論文探してたまに載せようと思います。