抗NMDA受容体抗体脳炎は若年女性に多く、統合失調症様の症状を取ることが有名ですが自殺企図に気をつけましょうというお話。



2012-2017年にWest China Hospitalに入院した抗NMDA抗体脳炎133名のうち17名(13%)に自殺関連症状を認めた。7名が自殺念慮、8名が自殺を試み、2名が実際に自殺してしまった。17名中10名は入院より前に、3名が入院中、2名が退院後、2名が再発時に起こった。年齢の中央値は27歳(16-78歳)であり76%が女性であった。2名に腫瘍(卵巣奇形腫と副腎腺腫)が認められた。

というわけで他の免疫介在性脳炎でも起こるのかもしれませんが、脳症では自殺企図に注意ですね。

1100名の抗NMDA抗体脳炎のreviewにキレイな図がありましたので載せておきます。これでも7%ほどに認めるようです。紫がBehavor、オレンジがPsychosis、青がMood、黄緑がCatatonia、黄色がSleep、緑がSuicidality関連などです。

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https://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(19)30001-X/fulltext