認知症、意識障害の鑑別であまり意識できていなかったのでまとめておきます。前頭側頭型認知症は65歳未満の早期発症認知症の中で2番目か3番目の原因(3-26%)と言われています。

特徴は行動変化言語障害。以下の3つのTypeに主に分かれます。
① Behavioural-variant frontotemporal dementia(BV-FTD)
② Non-fluent variant primary progressive aphasia(NFV-PPA:進行性非流暢性失語症)
③ Semantic variant primary progressive aphasia(SV-PPA:意味性認知症)

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26595641

BV-FTDは人格変化、脱抑制、無気力、ステレオタイプ化された行動、こだわり、taskを遂行できないなどを起こし、約12.5%で運動ニューロン疾患を発症します。

NFV-PPAは初期(最初の2年間)より言語障害(呼称、構文、言語理解が☓)が目立ち、話すのが遅く止まりがちになり文法を間違える。

SV-PPA語義失語(言葉の意味のみ徐々に消失し、エプロンは?と聞いても「エプロンって何?」と逆に聞き返して既知感のない反応を示す)や失認が特徴。進行に伴って、相貌、物品、環境音などあらゆる感覚様式からの同定障害という意味記憶障害に移行していく。片側の限局的な側頭葉前方部や扁桃体の萎縮の影響。

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NFV-PPAは言葉が出てこなくなり障害部位はBroca失語と一緒、SV-PPAは何言っているかわからなくなり、障害部位はWernike失語と一緒。