Flail arm syndromeという概念を初めて知りました。Flail arm syndromeはALSの亜型で下位ニューロン障害が上肢に少なくとも12ヶ月限局しているTypeです。上肢は筋力低下が目立ちますが、下肢にはなく見られるとしても反射亢進や緊張亢進といった上位ニューロン障害のみのことが多いようです。男性が多いようで男女比は4:1程度です。約20ヶ月後にはほとんどの患者で症状は全身に広がります。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9854987

ALSの亜型は多くあり以下のようなものがあります。多くのALS患者では5-60歳前後で発症し、左右非対称の筋力低下で発症するSpinal onsetのtypeになります。20%ほどでは球延髄より筋力低下が始まり、構音障害・嚥下障害・舌のfasciculationを起こします(Bulbar onset)。このTypeでは下顎反射が亢進しやすく、Spinal onsetと比較し予後はよくないです(平均2年、通常は3年)。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25311585

 ALSは上位ニューロン障害下位ニューロン障害が共存するのが大切なので、以下のような所見を覚えておきましょう。
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というわけで萎縮している筋肉を見たらきちんと腱反射を評価し、亢進していればALSを鑑別に入れましょう。