急性上気道炎に対する非薬物療法を勉強中。まずはハチミツから。
スクリーンショット 2020-04-02 12.18.57
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18056558/

ハチミツには抗酸化作用とサイトカインを増やすことで抗菌作用があると言われています。また甘味物質が反射的な唾液分泌を増やし気道粘膜の分泌も増やすことで咽頭喉頭に鎮痛効果がある、気道クリアランスを良くする、甘味成分が消費され産生される内因性オピオイドが鎮痛作用を持つなどとされています。もちろんボツリヌスの件があるので1歳以下にはダメですよ!

2−18歳(平均5.22歳)の急性上気道炎(症状7日以内で咳嗽と鼻汁あり)で夜間の咳嗽がある患者105名を年齢で層別化した後にデキストロメトルファン群(ハチミツの香りつきシロップ)そばハチミツ群治療なし群にpartially blindでランダム割付された。喘息、肺炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など他の治療すべき疾患がある場合は除外。全て10mlのシリンジに入っている。治療なし群は何も入っていないためblindできていない。

初日は何の治療もせず、2日目に親が子供に割付された治療を子供が寝に行ってから30分以内に投与。翌日にblindされた調査者が電話で両親に以下の項目を電話インタビューする。この中でもPrinicipal outcomeは咳の頻度の変化。n数は1 pointの差を生むためにα=0.05、β=0.8で105名と計算。

スクリーンショット 2020-04-02 12.47.01

<結果>
ベースラインは以下の通り。約5日症状があった状態でエントリー。
スクリーンショット 2020-04-02 12.20.39

Principal outcomeである咳の頻度はハチミツ群 1.89 point、デキストロメトルファン群 1.39 point、無治療群 0.92 pointであった。ハチミツは無治療と比較しPrincipal outcomeも合計点も有意に改善していた。デキストロメトルファン群は無治療と比較し有意差はでなかった。同様にハチミツ群とデキストロメトルファン群でも有意差は出なかった。
スクリーンショット 2020-04-02 12.52.13

副作用は多動や過敏、不眠といったmildなものがハチミツ群 5名、デキストロメトルファン群2名、無治療0名であった。