15歳女性が婦人科系の症状に対して撮影した骨盤部MRIで偶然異常骨髄信号を指摘された。T1強調画像で大腿骨、脊椎、仙骨、腸骨などがheterogenousにまだらに写っていた。発熱、盗汗、体重減少、倦怠感などはなく採血で汎血球減少(WBC 2500、Plt 19000、Hb 7.9)を認めた。
スクリーンショット 2020-04-08 13.24.20
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19384936

診断は?





















「再生不良性貧血」

・骨髄生検では比較的赤血球系が過形成している場所がありながら全体的には細胞密度が低下(30%)しており、浸潤性の病態を示唆する所見はなかった。免疫表現型に異常はなく、フローサイトメトリーでCD55-CD59-血球は2.1%であった。他のビタミン、免疫、感染などの要素はなく再生不良性貧血と診断した。
スクリーンショット 2020-04-08 13.57.11

・再生不良性貧血では骨髄中の造血組織が脂肪に置き換わる(脂肪髄化)ため、骨がMRI T1強調画像で高信号となる部分的にlowな部分(T1 low T2 low)があればそれは造血機能が残っている部分を意味し、これらの像はlymphomaや骨転移、骨髄腫、MDSでも見られる。これは治療反応性の推定にもなる。一様の高信号なら重症再生不良性貧血を示唆する。
スクリーンショット 2020-04-08 14.08.08
スクリーンショット 2020-04-08 14.08.14
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3602384