65歳女性が4日前からの倦怠感、乾性咳嗽、腹部違和感で受診した。熱はなかったが呼吸数28でSpO2 89%であった。採血ではHb 14.2g/dL、血小板 183000であった。口咽頭スワブのRT-PCRが陽性でCOVID-19と診断した。

入院の上、アンピシリンスルバクタム・低分子ヘパリン・酸素投与が開始された。入院Day4に下肢に出血点と鼻血が出現し、採血すると血小板が66000まで減少していた。ヘパリンと抗生剤が中止されたが、Day5には16000、Day7には8000まで低下した。凝固系は正常であった
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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2010472

COVID-19に合併したITPと考えられ、IvIg(1g/kg)が開始された。48時間後に血小板は1000まで低下し紫斑は増悪したため、再度IvIgが施行された。骨髄検査が行われ、多形性巨核球が増えていること以外は正常細胞充実度であった。赤芽球系、顆粒球系は正常で血球貪食も見られなかった。

Day9に右前頭部の頭痛を訴え、CTで右前頭葉にSAHを認めた。血小板は2000であり、血小板輸血とPSL 100mg、エルトロンボパグ 75mg/dayが開始された。Day13には血小板は139000まで改善した。

抗生剤によるDITPにしては長すぎるし、HITにしては早すぎるんですかね。