BPPVの診断には問診が大事というお話。もちろん診察も大事ですよ!韓国の大学病院のめまい外来に紹介された578名(女性が362, mean ± SD age 60.0 ± 14.7歳)を対象に行われた研究. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31888973

質問表は以下の6つの質問で構成されている。最初の3問はBPPV以外の疾患の除外に使われる。1つでもNoであればBPPVではない。3つともYesであればQ4に進む。

後半の3問はBPPVのtypeと患側を決めるための質問。Q4は後半規管型から外側半規管型を区別するための質問。もし横たわる/ベッドから起きることでめまいが強ければ後半規管型もしくは前半規管型としてQ5に進む。Q5は患側を決めるための質問。例えば右を向いて悪化していれば右後半規管もしくは左前半規管. Q4で臥位で寝返りを打つでめまいが強ければ外側半規管型.  この場合はQ5とQ6は患側とsubtype(向地性 or 背地性)を決めるため。例えば右を向いたときに悪化し1分以内なら右向地性. Edward第2の法則でクプラ結石なら健側、耳石なら患側を向くときつくなる。クプラは長い傾向がある。

Q1:周囲や自分自身が回っている感覚があったか?
Q2:ほとんど頭を動かしているときにめまいを感じたか?
Q3:めまいの持続時間は3分以内か?
Q4:どの姿勢が最もめまいを感じるか?(横たわる/ベッドから起きる or 臥位で寝返りを打つ)
Q5:どちらがめまいを感じる?(頭を右に向ける or 左に向ける)
Q6:頭を振った後にめまいはどれくらい続く?(1分未満 or 1分以上)


最終診断は問診の結果を知らない医師が神経学的検査/頭囲変換試験とVOG(video-oculography )の結果から判断。

<結果>
578名中、最初の3つの質問で200名がBPPVと判断された。そのうち神経学的検査/頭囲変換試験で160名が最終BPPVであった。問診でBPPVでないと判断された378名中、頭囲変換試験で24名がBPPVと診断。

最初の3問のBPPVに対する感度 87%、特異度 89.8%、LR+ 8.5, LR- 0.15であった

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後半の3問でtypeと患側が一致したのは71.2%であった。
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ちなみにBPPVの内訳は後半規管型 70.7%、外側半規管向地性 13.6%、外側半規管背地性 15.8%でした。