Polypharmacy1年間の緊急入院(unplanned hospital admission)との関係を見たスコットランドのretrospective cohort study. また患者ごとにprimary care dataより40個の身体的/精神的疾患の数を見ている。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24428591/

データとしては性別、年齢、困窮度五分位(Scottish Index of Multiple Deprivation;五分位1の最少困窮度)、疾患数、現在処方されている処方箋の数が取られている。緊急入院について、固定効果一変量および多項ロジスティック回帰モデルを用いた。

<結果>
180815名の患者を解析し、年齢の中央値は49歳(四分位範囲:36-63歳)であった。61.9%が1つ以上の疾患を有し、3つ以上有していたのは23.7%であった。処方数は1−3個が25.2%、4-6個が11%、7−9個が5.9%、10個以上が4.6%であった。

全体の6.0%が緊急入院しており、6つ以上疾患を持っている患者は26.5%に対して0個では1.8%であった。

有する疾患数が少ない場合、薬の数と緊急入院のOdds ratioは相関したが(1-3個がreference)、その効果は疾患数が増えると減弱し、疾患数6個以上の群では処方数4-6個OR 1.00(95%CI 0.88-1.14)であったが10個以上OR 1.50(95%CI 1.37-1.71)と上昇した。興味深いことに処方数0個もOR 1.54(95%CI 1.29-1.84)であった
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0個でORが高くなっているのはunderprescribingなのでしょうか。疾患数が増えてくると必要な処方数も増えるということで、ある程度のpolypharmacyは必要というのは理解できるところですね。

polypharmacyを一概に数だけで述べるべきではないが、流石に10個を超えてくると害もあるというところでしょうか