起立性低血圧は「脈拍が上がるタイプ」「脈拍が上がらないタイプ」に分かれます。脈拍が上がらないタイプは自律神経障害パターンで鑑別は以下のものになります。β-blocker内服中も忘れないようにしたいですね。

・DM
・アルコール
・アミロイドーシス
・パーキンソン病、多系統萎縮症、DLB、PSA
・paraneoplastic


そして脈拍が上がるタイプは循環血漿量低下もしくは血管拡張因子の存在を考えます。その血管拡張因子の1つがα遮断作用です。

α遮断作用を持つ薬で一番有名なのは、そのままα遮断薬で主に前立腺肥大や高血圧に対して使われますが、それ以外にも抗精神病薬の多くはα1遮断作用を持ち起立性低血圧の原因になります。特に定型抗精神病薬のフェノチアジン系(クロルプロマジン、レボメプロマジン)は他のブチロフェノン系や非定型抗精神病薬に比べてα1遮断作用が強いと言われています。

起立性低血圧を抗精神病薬の副作用として意識できていませんでした。反省。他に起立性低血圧の原因になる薬としては以下のものがあります。

・ドーパミン作動薬(レボドパ):中枢性交感神経緊張低下
・三環系抗うつ薬:α1,2遮断
・MAO-B阻害薬(セレギリン)
・カルシウムチャネルブロッカー
・利尿薬

https://www.hilarispublisher.com/abstract/drugs-and-orthostatic-hypotension-evidence-from-literature-22416.html

抗精神病薬の種類については自分も忘れやすいので再度貼っておきます。
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他の副作用については以下の記事参照です。