CLIPPERSという疾患をご存知でしょうか?CLIPPERSChronic Lymphocytic Inflammation with Pontine Perivascular Enhancement Responsive to Steroidsの略語で、脳幹や小脳、脊髄に関する炎症性中枢疾患で2010年以降に認識されるようになってきました。ステロイドが有効なことから診断が重要です。生検では血管周囲白質に主にTリンパ球性の浸潤を認めます。

画像が特徴的で造影MRIで橋を中心に周囲(小脳、脊髄、基底核、中脳など)に広がるpepperingと呼ばれる1-3mm大の粒状の造影所見を認めます。T2強調画像や FLAIR 画像でも造影 MRI と同様の高信号病変を示すことが多いとされます。
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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30367853/

上の画像は71歳女性で5ヶ月間で悪化するめまい、間欠的な複視、失調、唇や手のしびれを認めていました。診察では多方向への眼振とdysmetriaを認めました。画像所見からCLIPPERSと診断され、メチルプレドニゾロン1g×5日間でまず治療開始し、眼振と失調は改善しました。退院後は1ヶ月かけてtaperされました。画像所見も下のように改善しました。

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他の論文で見ると以下のような特徴的な画像所見です。
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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24028073/

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https://pn.bmj.com/content/11/6/349.info

鑑別診断は神経サルコイドーシス、Neuro-Bechet、血管炎、リンパ腫、Bickerstaff脳幹脳炎、Langerhans cell histiocytosisなどがあります。