Bias交絡(Confounding)について大学院の授業で習いました。ここは論文を読むのに重要で、臨床家にしかわからないこともありますよね。色んな定義があるかと思いますがBiasは「測定した結果が正確かどうか」に影響を与え、交絡は比較に影響を与えるものです。
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<Biasについて>
Biasはたくさん種類がありますが、大きく「Selection bias」「Information bias」に分かれます。Selection biasは患者を選ぶ際に生じるBiasInformation biasは曝露や結果を測定する際に生じるBiasです。1つ1つ覚えるのは難しいですが、とりあえず2つに分けるとわかりやすいですね!

Selection biasは例えば研究する対象を主治医が外来で頼むのとポスターで自由公募するのを考えましょう。対照群が変わりそうだと思いませんか?主治医が外来で頼んだら偏った患者群になりそうですし、その中でも主治医の好みが入りそうですよね。研究対象に選ばれた者と選ばれなかった者で、特性に系統的な差異(バイアス)があると、誤った結論に達してしまうということです。選ばれた人で差が出たとしても、選ばれなかった群を含めると差が無くなる場合などですね。

Information biasは評価を医師が行うのか、患者にアンケートなどで行うのか、他覚的に機械で行うのかなどで変わりそうですね。

<交絡について>
交絡は要因とOutcomeに影響を与え以下の3つの要素が必要条件です。本質的には交絡がおきていないことははデータから示すことはできません。3つの要素は1つの目安です。

① Outcomeに影響する
② 要因と関連している
③ exposureの結果ではない

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例えば「大病院(要因)は小病院に比べて死亡率(Outcome)が高い」という仮説を立てたときに、「患者の重症度」という項目は交絡になりえるでしょうか?「患者の重症度」が高ければ大病院に行きそうですし、死亡率に影響しますよね(①、②)。大病院に行った結果、重症度が上がるわけでも無さそうです(③)。多くの観察研究では考えられる交絡因子が全て計測できないこともありますが、その交絡因子が要因とOutcomeの関係にどう影響するのかを考え、考察で述べるのは大切と習いました。

みんな大好きRCTはrandom割付を行うことで交絡を未知の交絡因子を含めて均等に2群間に分けることができますが、biasには関係ありません。RCTを読むときも隠れたbiasを探す努力が必要ということですね!