銀杏は焼いたり煮たりすると美味しいですが、大量に食べる(20-60個)と特に子供で中毒を起こし痙攣や意識障害、嘔吐の原因となります。これらにはビタミンB6が関係します。ビタミンB6は水溶性ビタミンの1つで、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンなどがあり、活性型はピリドキサールリン酸です。

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銀杏の原因物質は4'-O-Methylpyridoxine (MPN)です。MPNはピリドキサールキナーゼを抑制します。ピリドキサールキナーゼはピリドキサール (Pyridoxal: PL)を活性型のピリドキサールリン酸 (PLP: Pyridoxal phosphate)に変換するために必要です。PLPはグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)によるグルタミン酸のGABAへの変換に関わる補酵素です。

銀杏中毒でMPNが上昇しピリドキサールキナーゼが低下することにより、PLPが低下し結果としてGABAが低下し、痙攣や意識障害を起こします。

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https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0387760418302134

治療する際は通常の痙攣の治療に加えて、ピドキサール注®を使いましょう。また銀杏は認知症予防にサプリメント(Ginkgo biloba)で取られる場合もあるようです。確かにamazonに売ってますね。

またイソニアジドは有名ですが、パーキンソン病の治療に使われるレボドパとビタミンB6欠乏症との関連も知っておきましょう。2000mgを超えると必発のようです。かなり多い量ですけどね。

https://n.neurology.org/content/94/24/e2605