次、尿路結石を診たら、エコーでやろうと思っているtwinkling artifactについてです。尿路結石疑いではエコーで水腎症をまず見に行くと思いますが、結石の有無も診たいところです。尿路結石が詰まりやすい場所として腎盂尿管移行部,総腸骨動脈交差部,尿管膀胱移行部の3つの生理的狭窄部位があります。この中で腎盂尿管移行部と尿管膀胱移行部は腹部エコーでcheckすることができます。その際に使えるかもしれないのがtwinkling artifactです。

twinkling artifactとは「音響反射が非常に強く不規則な界面を持った物質の後方にカラードップラーで乱流状に変化する信号が観察される現象」です。尿路結石や非石灰化胆道結石、そして不整でザラザラしている反射面を持つものなら何でも起こります。

写真でいうとこんなのです。これは尿管膀胱移行部ですね。
スクリーンショット 2020-08-23 0.34.40
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23011625/

動画はこんなのです。わかりやすいですね。


CTをgold standardとした検査性能の報告は様々ですが、1つの所見として知っておいてもいいかもしれません。

https://www.ajronline.org/doi/full/10.2214/AJR.15.14998

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23011625/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21460031/

こういう検査特性の研究設定は難しいですねえ。CTをみんなに取るわけにいかないので、研究対象群がgold standardをおこなった群をretroに取るしかないので、実際の対象の感度特異度と違ってくる気がします。本当は側腹部痛などで尿路結石を疑った患者さん全例にエコーとCTをblindで行えればいいんですけど被爆や値段の問題からできないですね。あと陽性/陰性の単位(人?石の個数?)にするかでどうカウントするかや検査の技法の設定(どこを撮影しどこを1回とカウントする?)など難しいですね。