一過性に単眼の視力低下をきたすのはTIAを考えますが、Transient Smartphone Blindnessも考えて病歴を詳しく取りましょう。これは「暗い場所で側臥位で片目でスマートフォンを見ていると、片方の目は枕に沈み暗順応しているがもう1つの目はスマートフォンを見ており暗順応していないため、見終わって暗いところで片方の目がしばらく見えなくなる」ことです。

2016年にNEJMで扱われて有名になった気もします。この論文では数分〜15分視力低下が続いた2症例が取り上げられていました。この論文では加えて著者2名がスマートフォンの画面を単眼視し、暗闇の中で、主観的、電気生理学的に感度が回復するまでの時間経過を定量化しました。
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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmc1514294

Aは10分 or 20分スマートフォンを見て、Y軸は、参加者が暗闇で見ることができた光の最小強度をプロットしており、20分ほどで回復しています。Bは網膜電位応答を見ています。

スマートフォン関連の疾患は他にもあるので、またまとめようと思います。