在宅診療でたまに話題になる「パーキンソン病の患者さんが薬を飲めなくなったらどうする?」問題です。パーキンソン病の患者さんが薬を飲めなくなると一気に動けなくなる、悪循環でどんどん食べたり飲んだりできなくなる、悪性症候群のリスクになるなど色々問題があります。入院だったらドパストン静注を使えばいいのですが、在宅だと1日に何回も点滴するのは困難です。胃瘻はなあ・・と時々悩みます。

そこで調べてみるといくつか方法がありました。1つ目はニュープロパッチ®(ロチゴチン)を使うことです。ニュープロパッチ®はドーパミンアゴニストの経皮吸収型製剤です。日本では2.25mg、4.5mg、9mg、13.5mg、18mgが販売されています。換算は以下の図参照です。幻覚、妄想、せん妄や突発性睡眠、皮膚障害の副作用には注意が必要です。後輩に教えてもらいましたがハルロピテープ®(ロピニロール塩酸塩)というものもあるそうです。こちらはニュープロパッチ®に比べて皮膚トラブルが少ないみたいです。

スクリーンショット 2021-04-06 20.18.52
(Alty J, Robson J, Duggan-Carter P, Jamieson S. What to do when people with Parkinson's disease cannot take their usual oral medications. Pract Neurol. 2016 Apr;16(2):122-8.より引用)

アポカイン®(アポモルヒネ)皮下注という手もあるようです。しかしこの薬は注射後10-20分で効果発現し、持続時間は1時間なようなので飲めなくなったときにはあまり使えなそうですね。むしろレスキューに使う形でしょうか。他に上記で引用した論文には経鼻胃管の話が書いていましたが、それは在宅診療では厳しいかな・・。

飲めなくなった原因を検索するのも重要です。上記の論文には便秘感染が2大原因と書いてありました。ドーパミンアンタゴニストが入っていないかもcheckしましょう。抗精神病薬(リスパダール®、セロクエル®)制吐薬(プリンペラン®、ナウゼリン®)などが多いですかね。

というわけで現実的に使いやすいのはニュープロパッチ®でしょうか。薬価は結構高いですね。感染合併時でここを乗り切れば!という時に一時的に使うのはありなのでしょうか。ご意見あればぜひお願いします。