DLB(dementia with Lewy bodies:レビー小体型認知症)は65歳以上の認知症で2番目に多いと言われています。DLBを区別する意味としては以下のようなものがあります。

・抗精神病薬による過鎮静を避けることができる
・DLBの特徴である意識変動に戸惑わなくなる
・DLBのParkinsonismに対してドパミンを使うと幻視が悪化する可能性に注意できる


というわけでDLBの診断に重要な項目を知っておく必要があります。診断基準には以下のようなものがあります。
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(Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies: Fourth consensus report of the DLB Consortium. Neurology. 2017 Jul 4;89(1):88-100.より引用)

不可欠な項目認知症で、Core clinical featureには以下の4つがあります。

1. 注意力や覚醒度が顕著に変化する、認知機能の変動。
2. 明瞭な幻視
3. REM睡眠行動障害
:多くは認知症に先行する
4. パーキンソニズム:無動、安静時振戦、固縮

Supportive clinical featuresとして抗精神病薬に対する過剰な反応、姿勢不安定、繰り返す転倒、失神・一過性の反応不良、自律神経障害(便秘、起立性低血圧、尿失禁、過眠)、嗅覚低下、他の方法での幻覚、体系化された妄想、無気力、不安、抑うつなどがあります。そしてBiomarkerとしてはSPECT、PET、MIBGシンチ、CT/MRIなどが含まれています。

Probable DLBは2つ以上のCore clinical feature ± indicative biomarkerもしくは1つのCore clinical feature + indicative biomarkerになります。またDLBはパーキンソン病の発症前または発症後1年以内に認知症が発症した場合に診断されます。離れすぎるとParkinson disease dementia (PDD)ですね。

なので幻視やREM睡眠行動障害、認知機能の変動についてまず注意しましょう。REM睡眠行動障害はREM睡眠中に夢を見て叫んだり叩いたりします。動画を見るとわかりやすいです。


また具体的な質問項目として以下の4つが良いのではないかという論文もありました(NEUROLOGY 2004;62:181–187)。

・話の流れがバラバラになることはありますか
・ウトウトしたり不活発になることが1日2回以上ありますか
・午後7時までに2時間以上寝ていますか
・長時間何も無いところを凝視しますか