久々の更新です。編集しました書籍「とことん極める! 腎盂腎炎」が発売されました。共同編集の徳田先生、そして執筆して頂いた皆様ありがとうございました。
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本書籍は雑誌 治療で2021年9月に特集した「とことん極める!腎盂腎炎」を書籍化したものです。当時、誤嚥性肺炎が大変盛り上がっており、雑誌での特集や各種書籍の発売などが相次いでいました。それらの本を読みながら同じくらい発熱の原因としてコモンな腎盂腎炎について深めたいと思ったのがきっかけでした。



腎盂腎炎で特集組めないかな・・とSNSにつぶやくとたくさんのご意見を頂き、それを見ていた南山堂の編集者の方より連絡をいただき、トントン拍子に雑誌での特集となりました。企画発案から1日で特集決定、発売まで半年というスピーディーさ

雑誌での特集から書籍化するに当たって、既存の内容の見直しと項目の追加を行いました。追加した項目としては

・腎盂腎炎に関するエコー検査
・頻繁に使うセフトリアキソンの注意点
・抗菌薬内服へのスイッチのタイミング
・腎盂腎炎とMultimorbidity
・在宅医療での腎盂腎炎
・在宅での尿道カテーテルの管理と抜去
・尿管ステントについて
・尿道カテーテルが入らない際のコツ
・透析患者での尿路感染症
・小児での尿路感染症
・尿から耐性菌が出た場合の感染対策
etc

などがありかゆい所に手の届く内容となっています。また他職種の方々にも執筆していただき、尿道カテーテルの看護や自己導尿、排尿ケアチーム、そして薬剤に関する連携などが増え充実の内容となりました。既存の項目も図や表を増やし、わかりやすくなっています。

どの項目も良いのですが、個人的に気に入っているものを1つ挙げるとするとセフトリアキソンの項目です。セフトリアキソンは1日1回で良い、適度なスペクトラム、腎機能補正をあまり必要としないなどから「とりあえずセフトリアキソン!」と安易に使われる事が多い気がしていますが、色々考えることはあるのだという勉強になる内容になっています。

あとインパクトのある表紙も気に入っています。通称パグ本らしいですが、パグという犬を知りませんでした。。

是非お読みいただき、感想など頂けると幸いです。恩師である上田剛士先生には書評を書いていただきました。ありがとうございました!



本書籍が皆様の腎盂腎炎診療に役立ち、そして発熱診療や感染症教育の質の向上に繋がれば幸いです。