今日なに読もう〜病院総合診療医の論文ブログ〜

奈良、京都で病院総合診療医をやっていました。2020年度より京都大学の社会健康医学系(SPH)の大学院の博士課程。在宅医療始めました。勉強したことをまとめていきます。

カテゴリ:総合診療 > 症候学

食思不振の鑑別は「Meals on wheels」の語呂合わせで覚えますが、MがMedication effectとMalignantです。Medicationにどんなものが含まれるか、論文を調べていたら表がありました。(Alibhai SM, Greenwood C, Payette H. An approach to the management of unintentional we ...

先日久しぶりに血管迷走神経反射を起こしました。その時に冷や汗と嘔気がすごくて、「ああ嘔気の原因に前失神があるって本当だなあ」と薄れゆく意識の中思いました。血管迷走神経反射は反射性失神の1つであり、反射性失神には以下の3つが含まれます。この当たりは「失神の診 ...

Slipping rib syndromeはACNESと共に慢性腹痛の原因として覚えておくべき疾患です。右/左上腹部痛や下部胸痛を起こし、胆嚢炎などと間違えられる場合があります。肋軟骨や肋骨靭帯が緩くなり可動域の増した肋骨が周囲の肋骨に滑り込み、肋間神経に衝突することにより痛みが生 ...

口は個人差ありますが40-60mmほど開くと言われており、3横指ほど入るのが正常です。開口障害を起こす疾患としては破傷風が有名ですが、他にどんな鑑別があるでしょうか?表にまとめてみました。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11928347/破傷風、咽頭痛を伴えば深頸部感染症 ...

今日は日本臨床写真学会でした。至極のClinical picture揃いで大変勉強になりました。そこで出てきたCharles Bonnet syndromeについて。昔、科内のメーリスでも教えてもらいました。Charles Bonnet syndrome(CBS)は視力喪失または視野喪失の患者に生じる視覚幻覚の症状です ...

27歳女性が1ヶ月続く吃逆、嘔気嘔吐を主訴に外来を受診した。13kgの体重減少と頭痛も認めていた。腹部所見や神経学的所見に異常はなく、内視鏡検査・髄液検査・頭部腹部CT検査に異常を認めなかった。頭部MRI検査のFLAIRは以下の通り。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/312424 ...

「下唇から顎がしびれる」という主訴を診たらNumb chin症候群を考えましょう。これは三叉神経のV3 下顎神経の遠位のオトガイ神経の支配範囲(下図のGの範囲)にしびれ(が限局しているのが特徴です。A:ガッセル神経節B:下顎神経(蝶形骨大翼の卵円孔を通って出てくる)C: ...

小ネタです。アメリカ、サウスカロライナ州の2病院で行われた脾梗塞163例のretrospective observational study. Radiology databaseから検索し、Radiologistが陳旧性脾梗塞やperfusion artifactsなどを除外した。平均年齢は57.0歳(標準偏差 18.1歳)、女性が56%であった。20 ...

勉強したのでサラッと。銅欠乏は亜急性連合性脊髄変性症様の神経症状とMDS様の血液症状をきたします。ですのでビタミンB12欠乏ととてもよく似た症状きたすのでビタミンB12欠乏mimickerとして覚えておくと良いと思います。銅は胃と十二指腸で吸収されるので胃切除後でRoux-en- ...

知識の整理も兼ねて。前回記事で述べたようにアルコール問題は出会うことも多く、様々な合併症と関連するのでまとめてみました。このような疾患を念頭においておけば、アルコール依存患者を見た際に考える病態の幅が広がります。オリジナルに近いので、何かこれも追加したほ ...

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