今日なに読もう〜病院総合診療医の論文ブログ〜

奈良、京都で病院総合診療医をやっていました。2020年度より京都大学の社会健康医学系(SPH)の大学院の博士課程。在宅医療始めました。勉強したことをまとめていきます。

カテゴリ: 薬剤

糖尿病の関与しない低血糖についてまとめていますが、L-カルニチン欠乏症を忘れてました。L-カルニチンは遊離脂肪酸から産生された長鎖アシルCoAをミトコンドリア内に輸送するために必要なアミノ酸です。長鎖アシルCoAはL-カルニチンと結合し長鎖アシルカルニチンとなり、カ ...

薬の副作用について考える機会が多いですが、特に抗コリン作用は入院診療で良く目にします。入院で診る疾患の裏に薬の副作用が隠れていないか考えることは非常に大切です。抗コリン作用には以下のようなものがあります。尿路感染や誤嚥性肺炎、便秘の裏に抗コリン作用が隠れ ...

ST合剤(バクタ®、バクトラミン®)はPCPの予防やPCPやノカルジア、尿路感染症の治療に用いられますが、様々な副作用があります。注意が必要なものには高カリウム血症、腎障害、アレルギー(DIHSS含む)が挙げられます。ST合剤はCrの尿細管分泌を阻害することにより、腎機能 ...

話題に挙がっていたので読み直してみました。バンコマイシンに対して血小板反応抗体が検出された血小板減少患者29名の報告。23名は黄色ブドウ球菌感染症に対して、3名は病原体不明の感染に、3名は術後感染の予防に使用されていました。29名中、血小板反応抗体はIgG抗体が16名 ...

色シリーズで。サイレース®(フルニトラゼパム)やハルシオン®(トリアゾラム)はアルコールと混ぜることでレイプドラッグとして悪用される場合があるので溶かすと青くなります。舌も青くなります。サイレースがこのように変わったのは2015年からです。なので、それ以前の ...

Polypharmacyと1年間の緊急入院(unplanned hospital admission)との関係を見たスコットランドのretrospective cohort study. また患者ごとにprimary care dataより40個の身体的/精神的疾患の数を見ている。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24428591/データとしては性別、年 ...

起立性低血圧は「脈拍が上がるタイプ」と「脈拍が上がらないタイプ」に分かれます。脈拍が上がらないタイプは自律神経障害パターンで鑑別は以下のものになります。β-blocker内服中も忘れないようにしたいですね。・DM・アルコール・アミロイドーシス・パーキンソン病、多系 ...

Polypharmacyの研究を読んでいると定義がバラバラなのに気づきます。定義も数だけでなく期間や、そしてただ単なる数だけでなく内容にまで踏み込んでいる論文もあります。数についてはPolypharmacyが5もしくは6個以上が多く、このSystematic reviewでは46.4%が5個以上でした ...

62歳男性が黄疸とそう痒感で外来を受診した。彼は約4週間前に感冒症状に対してアジスロマイシンを内服しており、3日後にStevens-Johnson syndromeを発症した。入院しメチルプレドニゾロン、パントプラゾールなどで治療され2週間ほどで退院した。退院後2週間で上記の黄疸など ...

CCBの副作用で浮腫が起こり、それに対してループ利尿薬が処方されるといういわゆるPrescribing cascadeの1つを調べた論文。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/320915382011/9/30-2016/9/30までのカナダ オハイオ州で新規処方を受けた66歳以上の高血圧患者のpopulation-bas ...

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