今日なに読もう〜病院総合医の論文日記〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

入院管理

横紋筋融解症と腎障害

横紋筋融解症でCK上昇した際にどれくらいから腎障害を考えるか議論になりました。Reviewを読んでいると15000-20000U/L以下なら心配いらない、5000U/L以下で急性腎障害を起こす場合はsepsis, dehydration, acidosisが併存しているなど書いてあります。CKだけでは腎障害を推測できないということです。筋炎の患者さんとかCK高くても腎障害起こさないですよね。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra0801327

いざ予防しようと思うと結構大量の輸液をしないといけないので、何とか最初の段階で推測したいですね。というわけで予測ツールの論文です。18歳以上の入院72時間以内にCK>5000U以上の患者が対象です。元々末期腎不全患者とAMI患者は除外されています。平均年齢は50.7歳. 主な横紋筋融解の原因は外傷 26.3%、無動 18.1%、Sepsis 9.9%、血管手術 8.1%、心臓手術 5.9%でした。

2371名をDerivation cohortに1397名、Validation cohortに974名割付。OutcomeはRRT(腎代替療法)導入院内死亡とされています。

Derication cohortよりRisk scoreを以下のように作成。
スクリーンショット 2019-07-12 13.04.08

C統計量はDerivation cohortで0.82、Validation cohortで0.83であった。<5点ではOutcomeを起こしたのは2.3%、>10点では61.2%であった。

スクリーンショット 2019-07-12 12.48.24

というわけでOutcomeは透析導入 or 死亡ではありますが、これらを予測するために重要な因子が予測ツールよりわかりますね。議論に挙がった患者さんはCKは3000台で(そもそもこのツールの対象者ではないですが)、予測ツールでは7点でした。結構年齢と原因で満たしますねえ。Cutoffをどこにするかは悩みますが8点くらいからでしょうか。

せん妄の診断について

せん妄の診断で使う3D-CAMについて復習。

3D-CAMは3-minute diagnostic interview for delirium using the confusion assessment methodのことです。3D-CAMの有用性を75歳以上の201人の入院患者で調べた論文では21%でせん妄が認められ(DSM-Ⅳに基づいて)、3D-CAMが平均3分で施行でき、感度95%、特異度94%であった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4319978/

評価法としては質問をして患者の反応を見るか、様子を観察するかします。①と②が存在し、かつ③または④があればせん妄と診断。

スクリーンショット 2019-03-22 12.29.18

まあ結局

・意識が変動している
・不注意、意識が散逸している
・見当識障害がある


などがせん妄の特徴なのかなと思っています。

またICUではICU-CAMを使用するようです。
スクリーンショット 2019-03-23 10.44.29 PM


ちなみにせん妄を見つけたら原因検索です。「あいうえおかく」と覚えましょう。えが何で脱水、絶食になるのか思い出せない・・。

あ:アルコール
い:痛み
う:うんち(便秘)
え:脱水、絶食
お:おしっこ(尿閉)
か:環境
く:薬

 

ADLが低い患者に対するVTE予防

どこまでするか、いつも悩ましい分野ですがガイドラインに

「In chronically ill medical patients, including nursing home patients, the ASH guideline panel suggests not using VTE prophylaxis compared with using any VTE prophylaxis」

と明記されました。エビデンスは少ないのでしょうが、いつまで予防するのかという問題もありますし、ICU管理でなく一般病棟ならば予防はせず、下肢浮腫に注意し経過観察しています。 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30482763?dopt=Abstract 

乳酸値とAnion gap

乳酸高いのにAnion gap正常ってたまに経験しますが、結構多いんですね。

Surgical ICUで乳酸≧2.5mmol/Lを示した56患者の血液gas(動脈か静脈かは記載なし)の解析。乳酸が5.0-9.9では半数が、2.5-4.9では78.8%がAnion gap<16であった。原因としては輸液によるCl上昇や低アルブミンが考えられた。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2302951 

死亡確認の注意点

当院でも死亡確認は当直医がすることが多いので注意が必要ですね。
 
東京在住の92名に2種類の当直医の死亡確認のビデオ(思いやりを強調したものとそうでないもの)を見てもらうrandomized, video-vignette study。思いやりを強調したものは5つの要素を含んでいる。
・家族が落ち着くまで待つ
・患者の様態について申し送りを受けている旨を伝える
・診察を敬意を持って行う
・スマホでなく、腕時計で死亡時刻を確認する
・患者が痛みを感じていない旨を伝える
 
思いやりを強調したビデオを見た人はそうでない人に比べて医師が思いやりにあふれていると評価し((mean 26.2 vs. 36.4:50点満点で低い程よい)、医師への信頼度が上がり、怒り・悲しみ・恐れなどが少なかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28887269 
プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: