今日なに読もう〜病院総合診療医の論文ブログ〜

奈良、京都で病院総合診療医をやっていました。2020年度より京都大学の社会健康医学系(SPH)の大学院の博士課程。在宅医療始めました。勉強したことをまとめていきます。

カテゴリ:消化器 > 肝臓

肝肺症候群(Hepatopulmonary syndrome: HPS)は「進行した肝疾患(多くは肝硬変)、門脈圧亢進症などを背景に肺内血管拡張により動脈酸素飽和度の異常が引き起こされる疾患」です。くも状血管腫、ばち指、チアノーゼなども見られます。https://www.nejm.org/doi/full/10.1056 ...

62歳男性が黄疸とそう痒感で外来を受診した。彼は約4週間前に感冒症状に対してアジスロマイシンを内服しており、3日後にStevens-Johnson syndromeを発症した。入院しメチルプレドニゾロン、パントプラゾールなどで治療され2週間ほどで退院した。退院後2週間で上記の黄疸など ...

あけましておめでとうございます。今年も育児の合間でブログをぼちぼち書いていこうと思います。NEJM journal watchをチェックしていて見つけた面白い論文。NAFLDの原因にHigh-alcohol producing Klebsiella pneumonia(HiAlc Kpn)が関係しているのでは?というものです。htt ...

肝硬変の患者さんの皮疹の鑑別に挙がりました。アルコールが関係したのかもなあ。54歳女性が徐々に顔面の毛が増えてきたと受診した。診察上、両手背に潰瘍、粟粒腫、皮膚肥厚が診られた。彼女は慢性C型肝炎を12年前より指摘されている。https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJ ...

18歳女性が3年前からの両手の色調と温度変化、そして時折手が震えることで受診した。同時に右手が勝手に動いてしまうこともあり、集中力も下がっているとのことだった。診察上、右手のジストニアと手足の姿勢時振戦、軽度の構音障害、嚥下障害、運動緩徐を認めた。採血では肝 ...

S見先生回診で教えてもらいました。肝硬変患者で静脈瘤を予測する因子は血小板数/脾臓径.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/128652821st part:145名の肝硬変患者で89名に静脈瘤が認められ、そのうち29名は巨大静脈瘤であった。肝硬変の原因はC型肝炎78名、アルコール24名 ...

アルコール肝硬変の既往のある65歳男性が呼吸苦で受診した。レントゲンで左胸水を認め、穿刺にて白色の胸水を認めた。胸水検査では漏出性でありリンパ球優位(TP1.3, LDH 53, コレステロール16)であった。胸水TGは235mg/dLと高値を認めた。腹水も認め、穿刺にて乳び様(TG 18 ...

A型肝炎は比較的発熱を起こす。倦怠感、食思不振、嘔気といった非特異的な全身症状が多いので、感冒や腸炎の初期などと誤診しないように注意。https://pdfs.semanticscholar.org/4009/ca315a2bae2adaf0239b96867e398c9d7636.pdf結膜黄染や黒色尿は比較的頻度が高いので、しっ ...

ACP日本支部年次総会で知った論文をもう1つ。SBP(Spontaneous bacterial peritonitis)の予防抗菌薬の話です。あまり知りませんでしたがスタンダードはノルフロキサシン400mg/dayの内服のようですね。肝硬変患者がSBPを起こした場合は1年生存率が30-50%、2年生存率が25-30%と ...

肝性脳症の悪化要因を整理。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21278704アルカローシスは尿中へのアンモニア排泄を低下させます。低カリウム血症では水素イオンが細胞内に移動するため細胞内アシドーシスとなり、酸塩基平衡を保つためにグルタミンからアンモニアと重炭酸 ...

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