今日なに読もう〜病院総合医の論文日記〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

救急集中治療

46歳男性 耳介の後ろの皮下出血

46歳男性が数日前から左耳の聴力低下と詰まった感覚で受診した。他に神経初見は認めず、耳鏡では鼓室内出血を認めた。また左の耳介の後ろに皮下出血を認めた。

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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1100820 

この所見の名前と疑う疾患は? 





















「Battle's signから側頭骨骨折を疑う」

・彼は転倒歴を否定したが、5日前にお酒を飲んだ際に記憶がない時間があると述べた。
・頭部CTでは急性硬膜外血腫と左の側頭骨骨折を認めた。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19392601

というわけで外傷患者では皮下出血にも注意ですし、外傷歴は隠れている場合もありますね。 

32歳男性 嘔吐、不安、頻脈

病歴は疑って聞かなければいけないという1例。

https://casereports.bmj.com/content/2018/bcr-2018-224185

32歳男性が嘔気、嘔吐で救急外来を受診した。患者は錯乱しており、BP115/75 HR 160であった。既往歴や内服薬はなかった。心電図ではwide QRS polymorphic tachycaridaを認めた。
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血液ガス pH 7.246, PCO2 29.9, HCO3 16.1, Lac 5.3であった。採血では低カリウム血症、低リン血症を認めた。低血糖はなかった。

診断は?





















「カフェイン中毒」

・患者はカフェインサプリを大量内服(=5g)した病歴が判明した。 プロプラノロール(インデラル®)や電解質補充で改善し、血液透析は必要なかった。

・カフェインは飲料にはそれほど多く含まれませんが、サプリメントで最近大量に含まれるものがあるので注意が必要。コーヒーは約150mg/200ml、レッドブル 80mg/250ml、眠気予防薬やサプリメントは100-200mg/1錠。集中力増加や筋トレに飲むよう。総合感冒薬にも含まれている。致死量は5-10g。

・内服15分で効果発現し、ピークは1−1.5時間なので直前の病歴が重要。半減期は3-7時間。
・カフェインはアデノシンとよく似た構造を持ち、β受容体を刺激することで頻脈や不整脈を誘発する。他の症状には頭痛、嘔気嘔吐、めまい、不安、易怒性などがある。中毒域では痙攣、低カリウム血症、高血糖、横紋筋融解、腎障害、高乳酸血症を起こす。

・頻脈に対してはβ-blocker、痙攣にはベンゾジアゼピン、電解質補充などで治療する。
・またカフェイン中毒は透析が有効。透析後の頭痛の鑑別にカフェイン離脱があるくらいなので除去率は高い。 不整脈が生じている場合は致死的になりうるので選択肢。

というわけで中毒を疑う際は薬剤だけではなく、市販薬やサプリメントも注意です。 

浴槽の突然死でてんかんを示唆する所見は?

ボスから教えてもらった論文。浴槽での突然死でてんかんを示唆する所見は何か?

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31077940





















「バスタブから足が出ている」
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 ・剖検症例のうち、てんかんのcodeがついた364例を調べ、お湯を張った浴槽で突然死していた患者:SDEPB(sudden death in epilepsy occurring in the bathtub)は43例おり、てんかん以外の76例(SD non EPB)と比較した。
・バスタブから足が出ていたのはSDEPB群 33% vs SDnonEPB群 0%であった。 
・座位はSDEPB群 37% vs SDnonEPB群 64%とSDEPB群で少なかった。
・両足が伸びている姿勢は、全身性強直性間代性痙攣(GTCSs)と関連しているのではないかと考察されています。

というわけで風呂場でCPAで発見された場合はその場の状況を聞くようにしましょう。原因が推測できるかもしれません。 

挿管時のPPIはいつまで続ける?

挿管での人工呼吸器管理は上部消化管出血のリスクと言われており、PPIを投与する事が多いですが経腸栄養を開始したらPPIいらないのでは?という話。経腸栄養は心拍出量を増やすことなく、消化管へのBlood flowを増やしストレス潰瘍予防になるのでは?と言われています。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28865339

ICUで人工呼吸器管理をしている102名をpantoplazole+早期経腸栄養(55名)or Placebo+早期経腸栄養(47名)に割り付けたProspective, double blind, randomized, placebo-controlled, exploratory study.  経腸栄養は人工呼吸器管理24時間以内に開始された(詳しいプロトコルはわかりませんでした)

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Primary OutcomeはOvert or significantな上部消化管出血の発生。Overtの定義が経鼻チューブから血性/黒色物が引けるか嘔吐、タール便か血便。Significantの定義はOvertあり24時間でHtが3低下 or Overtなく48時間でHtが6低下。nの計算はなし。

Primary Outcomeは両群で1名ずつ。全体での発生率は1.96%であった。CDIは4名に発生した(PPI群に1名、Placebo群に3名).

というわけでnが計算されていなかったり、優越性試験で差がなかったから同等といえるわけではないなど色々問題はありそうです。が皆さんどうされていますか? 

DVTの検索はまず2点エコー

後期研修医のリクエストがあったので挙げておきます。以前、外部の勉強会で発表したスライドです。

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プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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