今日なに読もう〜病院総合医の論文日記〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

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胃捻転の画像所見について

胃捻転の患者さんはたまに救急外来にやってきますが、画像を見て何か変だな?と思ってもすぐに診断できないこともあるので勉強してみました。症状のTriadは突然の心窩部痛、ひどい悪心、経鼻チューブが通らないと書いてありました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19755596

胃捻転は2つのTypeに分かれます。OrganoaxialMesenteroaxialです。これは口で説明するより図を見てもらった方が良いと思います。長軸か短軸です。

<Organoaxial>
スクリーンショット 2019-07-22 9.54.46 PM
OrganoaxialのほうがMesenteroaxialよりcommonで約2:1のようです。大弯が小弯の上に乗っかるような形になります。食道裂孔ヘルニアがあると起こりやすいみたいですね。
スクリーンショット 2019-07-23 11.46.34

<Mesenteroaxial >
スクリーンショット 2019-07-22 9.55.44 PM
Mesenteroaxialでは前庭部がEG junctionより上に来ます。

ということでEG junctionと前庭部の位置関係に注意ですね。

Sjogren症候群を頭部MRIで診断するには?

Sjogren症候群を疑う際に頭部MRIのどこを見るべきでしょうか?

耳下腺をAxialのT1で見ましょう。

普通はなめらかに見える耳下腺がリンパ球浸潤して脂肪変性、線維化するとまだらにhypoとhyperintenseな部分が混ざるようです。
スクリーンショット 2019-07-09 19.15.15
(Up to date "Diagnosis and classification of Sjögren's syndrome"より)

Stage分けしている論文もありました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11762685
スクリーンショット 2019-07-09 19.09.30
(Stage 0 = normal)

スクリーンショット 2019-07-09 19.10.02
(Stage 1 = Fine nodular)

スクリーンショット 2019-07-09 19.18.01
 (Stage 4 = Dendritic)

いつ使うのか?という話ですが、SjogrenはNMO-disorderを合併することがあるのでその際に頭部〜脊髄MRIを撮って3椎体以上の病変があったときに耳下腺見るといいよねという話になりました。
スクリーンショット 2019-07-10 7.44.10
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4193162/ 

両側視床病変の鑑別は?

先日のNEJMのケースはSLEの既往のある29歳女性の頭痛、意識障害でした。SLEの治療はリツキシマブ、ステロイド、MMFなどをされていました。

頭部MRIを撮影するとFLAIRで両側視床に高信号が見られて診断は?というケースでした。
スクリーンショット 2019-06-19 13.41.58
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMimc1807627

では両側視床病変の鑑別は何でしょうか?調べてみました。

・感染症:ウエストナイル熱、日本脳炎、狂犬病、CJD
・Top of Basilar syndrome
・静脈洞血栓症:ガレン静脈
・PRES
・Glioma
・Wernike脳症
・浸透圧性脱髄症候群(ODS)
・Fabry病:α-ガラクトシダーゼ活性の欠損または低下
・Fahr病:両側の淡蒼球、被殻、視床などに石灰化が起こる。
・Wilson病
・Leigh病

https://www.ajronline.org/doi/abs/10.2214/AJR.08.1585

というわけで上記のケースの診断はウエストナイル熱でした。画像はある程度パターン認識も大事ですね。

巨細胞性動脈炎と造影MRI

巨細胞性動脈炎(GCA)が鑑別に上がっている患者さんがいて造影MRIを撮ろうかという話が出ました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25102371

185名のGCAが疑われた患者のProspective study、98名で側頭動脈生検が行われた。2人の医師が表在動脈のContrast enhanced T1 weighted MR imageをcheckした。PSL投与されていないか、されていても14日以下。

スクリーンショット 2019-06-04 17.49.06

GCAの診断は① 側頭動脈生検、② ACRの分類基準による診断、③ PSLの反応性、④ 6ヶ月の臨床経過からつけている。

下図は造影MRIでの表在動脈6ヶ所(炎症なし)
スクリーンショット 2019-06-04 18.20.04

炎症の程度は4段階で評価。壁肥厚と外膜周囲の造影効果で見る。最低3cmは見る。
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Score 0:壁肥厚なし(<0.6mm)、造影効果なし
Score 1:壁肥厚なし、造影効果軽度
Score 2:壁肥厚あり(>0.6mm)、造影効果あり
Score 3:壁肥厚強い(>0.7mm)、造影効果が壁、外膜周囲まであり。

6ヶ所のうち、少なくとも1ヶ所がScore 2-3であればMRI陽性とする。

Totalでは感度 78.4%、特異度 90.4%であり、側頭動脈生検施行群では感度 88.7%、特異度 75.0%であった。 

超音波検査と比較してどうなのかは気になりますねえ。超音波検査で陰性でもMRIで捕まるってことあるんでしょうか。

<追記>
ちなみに造影を撮る際は脂肪抑制をかけましょう。以下の部位で評価します。表在だけではなく頭蓋内の血管も評価できるようです。
スクリーンショット 2019-06-07 10.39.07

スクリーンショット 2019-06-07 10.40.11
Bは造影効果あり。Cはなしの画像です。

スクリーンショット 2019-06-07 10.48.15
頭蓋内も評価できます。

またT2ではSTIRを撮ることで筋肉の浮腫を評価できます。 色々設定がややこしいですが、撮影する際は忘れないようにしましょう。

強直性ジストロフィーの画像所見の特徴は

側頭葉極にT2, FLAIRで高信号を認めた患者さんがいて鑑別が話題になりました。

側頭葉極はここです。社会的・情動的機能や意味記憶、相貌認知に関与していると言われています。
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側頭葉極病変は6つ覚えようと先日科内で習いましたねえ。
・神経梅毒
・CADASIL
・CARASIL(CADASILより10歳ほど若く、禿て腰痛症や頚椎症を認める)
・筋強直性ジストロフィー
・FTD
・ALS-D

片側だと梅毒、FTD?そこで今回は筋強直性ジストロフィーの画像所見を勉強しました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28768849

わかりやすいのは頭蓋骨が分厚くなる所見でしょうか(C)、特に前頭部。また前頭葉が年齢に比して萎縮します。脳室も相対的に拡大します。
スクリーンショット 2019-05-14 18.35.16

石灰化した皮下結節を認めるのも特徴です。これは石灰化上皮腫(毛母腫)といって症状に先行して出る場合もあるそうです。
スクリーンショット 2019-05-14 18.20.45
https://trc-rad.jp/case/334/s3/334_3_2.html

筋強直性ジストロフィーは

・筋疾患なのに遠位優位
・50代以下での白内障
・側頭筋の萎縮→斧様顔貌
・2型呼吸不全の背景疾患
・Grip myotonia

などの特徴を持ち、たまに遭遇する疾患(2例ほど経験あります)ですが画像で一発診断できたらカッコいいですね。 
プロフィール

nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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