今日なに読もう〜病院総合医の論文ブログ〜

京都の上さまの元で病院総合医をやっています。バランスの取れた一流の病院総合医目指して修行中!論文メインに挙げていきます。

電解質

GI療法の際のインスリンの量は?

高カリウム血症の治療に使うGI療法ですがインスリンは何単位いれていますでしょうか?50%ブドウ糖液 40-60mlレギュラーインスリンを5-10単位を使う事があると思いますが、まあ5単位でいいのでは?という議論がチーム内で出たので論文を読んでみました。

腎機能が悪い人に高カリウムは多いですが、そうなると低血糖も起こりますしねえ。
88314799-カリウム食品イラスト。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28976587

18歳以上、K>5.0、腎不全(eGFR<60 or AKI stage1以上) があり救急外来でレギュラーインスリン5単位 or 10単位(同時に投与する糖分は25g→1時間後に25g追加)が使用され5時間以内に血糖測定された675人のretrospective cohort study。133人が5単位、542人が10単位を使用されていた。

患者のベースラインは大きく変わりなかった。
スクリーンショット 2019-04-01 9.44.21 PM

もともと入っていた薬も変わりなかった。
スクリーンショット 2019-04-01 9.55.00 PM


投与された糖分は10単位使用群の方が多かった(33.6±15.1g vs 39.1±17.1 g).  高カリウム補正に使われた他の薬も違いはなかった。

70以下の低血糖や40以下の重症低血糖が起こったのは5単位使用群で19.5/3.0%、10単位使用群で28.6/6.8%であった。カリウムの低下幅は変わらなかった(-1.0±0.8 mEq/L vs -1.0±0.7 mEq/L)

retrospective cohort studyでPS matchingやIPTWもされていませんし、RCTがあればいいなあと思いますが無いですね。Kが6以上だと10単位の方が下がるんじゃね?という論文(こちらもretrospective cohort study)もあったり、結局患者の背景を見ながらということでしょうか。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30189765

糖分(50g)だけ入れてもK下がる(透析患者さんですが)という論文もあって、糖分をしっかり入れるのも大事なんですねえ。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24576893 

高カリウム血症の心電図と致死性不整脈の関係

高カリウム血症の心電図変化ではT波増高を見に行きますが、心電図変化と致死性不整脈の関連を調べた論文。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28874951 

血清K値≧6.5mEq/L以上の188名の心電図変化と致死性不整脈(症候性徐脈, VT, VF, CPA, 死亡)の関係を調べた論文。平均K値は7.1mEq/L. 致死性不整脈は6時間以内に28名(15%)に起こり、症候性徐脈 22名、死亡4名、VT 2名、CPA 2名であった。全ての致死性不整脈はカルシウムの投与前に起こっていた。心電図から致死性不整脈までの中央値は47分. 

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致死性不整脈の起こった患者の心電図では少なくとも1つ高K血症に伴う変化を認めていた。

それぞれのRelative Riskは
・QRS延長(>110ms):RR 4.74(95% CI [2.01-11.15])
・徐脈<50:RR 12.29(95%CI [6.69-22.57] )
・junctional rhysm:RR 7.46(95%CI 5.28-11.13)であった。

T波増高は有意ではなかった(RR 0.77, 95% CI [0.35-1.70]). 

スクリーンショット 2019-02-04 18.41.14
 
ECG取ってから治療までの時間の中央値が85分みたいで、少し遅い気がしますね。それは致死性不整脈の発生と関連しているのでは・・とも思いました。 
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nagano1123

関西で一流の病院総合医目指して修行中

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